【レビュー】

3倍ズーム搭載の有効310万画素デジカメ「DC4800 Zoom」

1 アナログ式の操作ダイヤルを採用

    永山昌克  [2000/06/16]

    3倍ズーム搭載の有効310万画素デジカメ

     

    ○高級コンパクトカメラデザイン

    コダックからオーバー300万画素のデジカメが登場した。これまでの同社のデジカメとはガラリと衣替えして、ごくオーソドックスなカメラデザインを採用。本体サイズと重量はこのクラスのデジカメとして平均的だが、同社の従来モデル「DC290 Zoom」や「DC280J Zoom」に比べると、ずいぶんと小型軽量化した印象を受ける。

    つるんとしたグリップ部分のデザインは筆者の好みではないが、マグネシウム製の外装には適度な高級感がある。また、レンズ部分が手前に大きく突き出たデザインなので収納性はあまりよくないが、構えたときのホールドバランスは上々だ。

    ボディ正面。グリップ部分にラバー・シートを貼るなどすれば、ホールド性がよりアップし、見た目にもカッコよくなると思うが、接着剤を使って自分の手で貼り付ける勇気はない
    ボディ上面。レンズ部分が大きく突き出ているので、見た目のコンパクトさの割には意外とかさばる。外装はマグネシウム・ダイキャスト

    ○アナログ式の操作ダイヤルを採用

    本体上部に目を向けると、露出補正と絞り設定にそれぞれ専用ダイヤルが設けられていることに気が付く。ほかの多くのデジカメの場合、露出補正と絞り設定の操作は、ボタンと液晶画面による「クリック操作」だ。ところが、本モデルの場合はアナログの「ダイヤル操作」で露出補正と絞り設定を行える。フィルムカメラでは当たり前の機能だが、パーソナル向けのデジカメとしては初めての試みだろう。

    露出補正ダイヤル(左)と絞り設定ダイヤル(右)。露出補正は0.5EVステップの+-2段階、絞り設定は自動、F2.8、F5.6、F8の4段階に設定可能。なお、絞りダイヤルは再生モードやセットアップモードへの切り替えにも使用する

    クリック操作とダイヤル操作のどちらが使いやすいかという問題は、慣れや個人差もあるので一概には言えないが、フィルムカメラに慣れ親しんだ人の中にはダイヤル操作にこだわる人も少なくないはずだ。ちなみに、筆者はダイヤル操作支持派である。

    ダイヤル操作のメリットは、目で見なくても指の感覚だけで操作ができること。たとえば、露出補正ダイヤルを右に回した場合はプラス補正で左がマイナス補正であるとか、絞り設定ダイヤルは時計回りにF8、F5.6、F2.8であるとか、こういったことを一度覚えてしまえば直感的かつスピーディに操作を行えるのだ。

    内蔵ストロボは手動ポップアップ式なので、不用意に発光することがない。また、本体側面には外部ストロボ用のシンクロ接点があるので、凝ったライティング撮影も可能

    また、電源を切ったり、モードを切り替えたりしても、設定値が変わらないこともメリットの1つとなっている。最近は、ダイヤル操作でなくても設定値を記憶するデジカメが増えているが、それでもバッテリー切れなど何かの理由で設定がリセットされてしまうことがある。その点、ダイヤル操作であれば、ユーザーの手でダイヤルを回さない限り設定値は動かない。つまり、安心感があるのだ。

    「高級コンパクトカメラを意識したデザイン」と言えば、これまでの他社デジカメにも思い当たる機種が何台かある。だが、操作性も含めたデザインという意味では、本モデルが初めての高級コンパクトカメラスタイルといえる。ダイヤルの形状と固さにはまだ不満があり決して十分とは思えないが、このアナログ式の露出補正ダイヤルと絞りダイヤルは大いに評価したい。

    ○操作レスポンスは大きく進化

    コダックのデジカメといえば、画質最高・操作スピードがよくないというのがこれまでの機種に対する筆者の評価である。使いたいと思わせる魅力的な画質(特に色)であるだけに、あまりにも遅い操作スピード(液晶モニタの表示速度、ボタンの反応、撮影間隔、起動時間)には何度もブチ切れそうになったものだ。

    そういう先入観を持って、今回の新製品「DC4800 Zoom」(ベータ機)のテスト撮影に挑んだが、幸いにもブチ切れることはなく、格段に進歩した操作スピードの速さを実感することができた。

    1.8型低温ポリシリコンTFT液晶の表示精度、表示スピードは上々。明るさも十分なので、屋外でもまあまあ使える。シャッターボタンを半押しすると、液晶上部に絞り値とシャッター速度が表示される

    電源オンから撮影スタンバイまでの起動時間は約2.5秒。バッファメモリの使用によって最高画質で4枚までの連続撮影ができ、液晶モニタや操作ボタン類のレスポンスも実用性十分のレベルだ。これならば仕事にも使えると思い、取材用のサブカメラとして海外に持っていったくらいだ。

    ただし、シャッターボタンを押してから実際にシャッターが切れるまでの時間、いわゆるシャッタータイムラグに関してはまだまだ不満がある。メーカーの発表文には「シャッターのタイムラグもわずか0.17秒」とセールスポイントのひとつにしているが、これはたぶん液晶モニタをオフにして撮影した場合の数値だろう。液晶オン時のシャッタータイムラグはその数倍はかかるので、シャッターチャンスをワンテンポ逃してしまうことが何度かあった。これは口惜しい。

    エントリーユーザー向けのデジカメであれば、これほどの要求はしないが、本モデルはカメラ愛好家向けのハイスペックモデルという位置付けなので、あえて厳しく評価させていただく。液晶オン時のシャッタータイムラグを早急に改善してほしい。でないと仕事用のサブカメラとしては役不足だ。

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