【レビュー】

光学2倍ズーム搭載の超コンパクトデジカメ「IXY DIGITAL」

1 高級感と実用性を維持した最小ボディ

    永山昌克  [2000/05/26]

    光学2倍ズーム搭載の超コンパクトデジカメ

     

    ○APSカメラ「IXY」のデジカメ版

    話題の超小型デジカメ、キヤノン「IXY DIGITAL」が5月26日発売された。APSカメラ並みの超コンパクトボディに、光学2倍ズームと211万画素CCDを搭載。この注目の新製品の試用レポートをお伝えしよう。

    キヤノンのデジカメといえば、これまでは「PowerShot」というシリーズが発売されていた。中でも約2年前の「PowerShot A5」から今年3月発売の「PowerShot S20」までのラインアップは、高品位なメタル外装と小型軽量サイズが特徴。98年当時の「A5」の広告コピーは「ライバルは、イクシ。」。イクシとは、スタイリッシュな小型軽量ボディを備え、96年の発売と同時にヒットした同社のAPSフィルムカメラのことである。

    1998年に発売された「PowerShot A5」の広告。コピーは「ライバルは、イクシ。」

    ここで細かいツッコミを入れさせてもらう。「PowerShot A5」の広告の中で時任三郎が手にしていたのは、光学2倍ズーム、幅9cm、重さ180gのAPSフィルムカメラ「IXY」。一方、その横に並んだ吉川ひなのが手にしていたのは、ズームなし、幅10.3cm、重さ230gの「A5」である。ん? ライバルといいながらも「A5」は「IXY」にサイズ的に負けているではないか。

    その後、「PowerShot」シリーズは、A5ズーム、A50、S10、S20へと進化し、ズームレンズの搭載やCCDの多画素化を進めていったが、ボディサイズはほとんど変化していない。つまり、デジカメとしてはクラス最小最軽量だが、APSフィルムカメラ「IXY」に比べると一回り以上も大きかったのだ。この時点では、デジカメの小型軽量化はこれが限界なのか、とさえ思われた。

    「IXY DIGITAL」のカタログ表紙。企業イメージのアンバサダーとして中田英寿を起用

    ところが、である。今回紹介する新製品「IXY DIGITAL」は、光学2倍ズーム搭載でありながら、幅8.7cm、重さ190gを誇る。すなわち、フルメタル外装とスタイリッシュなIXYデザインをそっくりそのまま継承しつつ、APSフィルムの代わりに211画素CCDを搭載した、その名のとおり「IXY」のデジタルバージョンなのである。

    ○高級感と実用性を維持した最小ボディ

    初めて手に持った瞬間、ほとんどの人は「小さい!」と驚くだろう。幅8.7cm、高さ5.7cmという寸法は、定期券やタバコとほぼ同じ。奥行き2.69cmはタバコよりもやや厚いが、凹凸の少ないフラットボディなので、胸ポケットにもすっぽりと収まる。

    バッテリーとコンパクトフラッシュを合わせた場合の重量は234g。これは、ちょうど缶コーヒーのショート缶1本分に相当する。まだ店頭で触っていない人は、ポケットにショート缶を入れて、その軽さを想像してみてほしい。

    軽さの秘密は、1円玉サイズに収まる直径20mmのレンズや、内部メカニズムを最小限のスペースにレイアウトする超高密度実装技術など、キヤノン独自の最新技術だ。この軽さは、もはや一般的なカメラとしての限界ギリギリの軽さではないかと思う。

    これは想像だが、今後さらに技術が進歩すれば、100gを切る携帯電話並みの軽さを達成することもあり得るし、現状の技術でも外装をプラスチック化すれば、より軽量化することもできるだろう。だが、モノとしての高級感や耐久性を保ちながら、かつ手ブレが生じない程度のホールドバランスを維持しようとすれば、使用時に200g少し超えるくらいの重量が限界だろう。「ミーシャ」のようなおもちゃカメラや、「ミノックス」のようなスパイカメラは例外だが、ふつうの人が一般的な用途に使うカメラの場合は、「IXY DIGITAL」のサイズと重量が1つの到達点と思えるのだ。

    このあとのページでは、機能性や操作性や画質などを検証していくが、第一印象でこのサイズと軽さとデザインに魅力を感じた人は、それだけの理由で本モデルを衝動買いしても決して間違いではない。

    ボディ前面。もはや完成の域にあるIXYデザイン。Canonのロゴの部分がわずかに膨らんでいるが、グリップというよりはデザイン的な意味合いが強い
    ボディ側面。ゴムカバーの中にはUSBとビデオアウトを兼ねた独自形状の端子が1つある。ビデオケーブルは付属するが、USBケーブルは別売だ

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