「Facebookおじさん」という言葉を聞いたことがありますか? Facebookを愛用しているおじさんたちの「あるある」を並べた記事は、2年ほど前からネットで話題になりました。

  • 鈴木朋子のお父さんが知らない女子SNSの世界

    Facebookのアクティブユーザーは、だいぶ前から年齢構成に変化が

空港で出発前に投稿する「エアポートおじさん」は、ラウンジでの食事画像がポイントです。また、ダイエットや筋トレに励む「筋トレおじさん」はトレーニングジムでのセルフィーを投稿します。酒の席の集合写真や豪華な食事を投稿する「リア充アピールおじさん」、頻繁にタグ付けする「タグ付けおじさん」などなど、Facebookおじさんには色々なタイプがいます。

個人的には、Facebookがビジネスに直結していない人であれば好きなことを投稿すればいいと思うのですが、アレルギー反応を起こす若い世代は多く、ちょっとした流行語になりました。

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    ついつい……(編集林)

そして、若い世代はFacebookから離れています。

マクロミルが発表した「2019年 新成人に関する調査」によると、SNSの利用率は、1位が「LINE」で96%、2位は「Twitter」78%、3位は「Instagram」で60%となっています。Facebookは20.0%で、2013年の調査から見ると上位3位は増加傾向にあるのに対し、Facebookは下降の一途をたどっています。

女子中高生に絞ると、「毎日利用するSNS」でFacebookは3.5%。LINEは98.9%、Twitterは55.5%、Instagramは49.5%ですから、Facebookはかなり低い数字です(2017年9月28日発表「10代女子のスマホアプリに関する調査2017」より)。

上記の調査はFacebookのアカウントを持っている人が対象なのですが、私の取材ではFacebookのアカウントを持っている女子中高生はほとんどいません。ある女子高生たちにFacebookについて聞いてみたところ、「誰もやっていないから興味がない」「特に始める理由が思いつかない」とのこと。悲しいぐらいFacebookから離れています。

Facebookの代わりに人気のSNSは

一方、若い世代で人気が急上昇しているのは、Instagramです。InstagramはFacebookが運営しているサービスなので皮肉なようですが、Facebookの経営的には大成功ですね。Instagramには「オシャレなSNS」というイメージがあるのに加えて、女子高生たちには「ストーリーズ」という24時間で投稿が消える機能が好評です。実はFacebookにもあるのですが……InstagramからわざわざFacebookに移動する理由はないでしょう。

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    インスタ映えでおなじみのInstagram。「インスタ映え」は、2017年の「ユーキャン新語・流行語大賞」で年間大賞に選ばれています。Instagramに投稿する写真を撮るときは、くれぐれも周りの迷惑にならないようにしてくださいね

Facebookの深い交流に疲れた大人の女性もInstagramへと移動しています。写真や動画が基本となる浅い交流であることや、人脈アピールに利用されないこと、いいねやコメントへの強迫観念もゆるめであることなどが理由でしょう。

でも、若者が離れていくからといってFacebookの利用を止めたり、若者ウケする投稿を心がけたりすることはありませんよ。

ビジュアルワークスが2019年6月に発表した「10代・20代・30代のSNSに関する意識調査」によると、「先輩・上司とSNSでつながってよかったと思うか」との問いで、Facebookは39.0%が「よかった」、46.0%が「どちらでもない」と答えています。「良くなかった」と回答している人の意見では、仕事とプライベートが混在することでの戸惑いが多く見られます。Facebookを愛用している人は、プライベートな投稿に介入しないように心がければ、若い世代とも仲良くコミュニケーションが取れそうです。

鈴木朋子

著者プロフィール
鈴木朋子

ITライター・スマホ安全アドバイザー。SNSやスマホなど、身近なITに関する記事を執筆。10代のスマホカルチャーに詳しく、女子高生とプリクラにも出かける。趣味はへんてこかわいいiPhoneケース集め。著書は「親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本」(技術評論社)など20冊を超える。