フロントカメラの美顔モードを売りにしている中国のスマートフォンメーカー、Meitu(メイトゥ、美図)は、セーラームーンやドラゴンボール、そしてハローキティーなど日本のキャラクターとコラボした製品も展開しています。Meituのターゲットとする20代の消費者の嗜好とマッチしているということなのでしょう。日本ではお目にかかれないアニメキャラスマートフォンが中国では普通に販売されているのです。

  • 独特なモデル展開をしているMeitu

そのMeituが今度は大英博物館とコラボしたスマートフォンを発売しました。ベースとなるモデル「V6」は本革を本体に採用した高級モデル。アニメキャラシリーズの「M8」「T8」とは異なり、30代以上の大人の女性を狙った製品です。V6にはオレンジやピンクのモデルの他、青い革に赤のステッチをあしらったモデルもあるなど、革製品であることをアピールした上品なモデルが用意されています。大英博物館とのコラボモデルも、他のスマートフォンには無い美しい仕上げですね。

  • 大人の女子スマートフォンといえるMeitu V6

ミントグリーンとピンクの2色を組み合わせた本体背面は、革の部分の模様と相まってクラシカルな雰囲気を醸し出しています。背面だけを見るとスマートフォンとは思えないような外観をしています。V6の背面カメラは横に2つ並んでおり、その上部に目立たないようにMeituのロゴも入っています。

  • 上品なデザインはスマートフォンと思えない仕上がり

パッケージにもこだわりを見せています。一般的なスマートフォンの紙箱とは異なり、引き出し式。箱から引き出すことで本体が現れます。毎日帰宅したらこの箱の中にうやうやしくしまいたくなってしまうかも。スマートフォンを買った後は箱を捨てる人も多いでしょうが、このパッケージは捨てられそうにありません。

  • パッケージも上品で本体に合わせたカラーリング

V6のスマートフォン本体のスペックも十分高いものです。チップセットはHelio X30デカコア2.6GHz、RAM6GB、ROM128GB、5.5インチフルHDディスプレイ。カメラは1,200万画素+500万画素で、同じ組み合わせを前後に搭載したクアッドレンズとなっています。この2つのカメラの組み合わせによりV6は強力なボケを効かせることが可能で、映画の1シーンを切り抜いたようなセルフィーも撮影可能です。

  • スマートフォンとしての基本性能も十分高い

そして付属のケースも本体と同じカラーリング仕上げ。もちろん本革製です。このケースだけでも別売してほしいと思えます。ここまで本格的な仕上がりだと、使うのがもったいなくてショーケースに入れて飾っておきたくなるかもしれません。

  • ケースもぬかりない仕上がり。美しさをとことん追求している

そしてパッケージも上部の蓋を開けると、そこに化粧用のブラシが入っているというおまけつき。とはいえこれを実際に使うユーザーはいないでしょう。なにせ定価は6,999元、約12万円もするのです。パッケージを部屋に飾っておき、たまにふたを開けて中を見て楽しむものなのでしょうね。

  • 化粧ブラシもセットされている。究極の女子スマートフォンといえる

Meituのスマートフォンはもともとセルフィー強化端末として市場に出てきました。ターゲットはセルフィー好きな女性で、ある意味ニッチなユーザーを狙った製品だったのです。しかし最近は他社のスマートフォンのセルフィー機能も高くなっています。OPPOやVivoはセルフィーを売りに販売数を伸ばしており、Meituもセルフィーだけでは差別化しにくくなっているのが実情です。

  • Meituは元祖セルフィースマートフォン

Meituのモデルは3つのラインに分かれていますが、この大英博物館バージョンもあるV6は、ラグジュアリーモデルであるVシリーズの最新製品です。Vシリーズは過去モデルも本体に革を採用した製品が登場しています。女性をターゲットにしているMeituだからこそ出せる高級モデルですが、大英博物館モデルはその集大成ともいえる製品なのです。

  • MeituのVシリーズは高級モデルを出し続けてきた

大英博物館モデルは限定品。ターゲットユーザーが狭いことを考えるとこのような特別バージョンを少数作り、限定期間販売するのがMeituのようなメーカーには合っているといえるでしょう。若い世代を狙ったモデルでは日本のアニメキャラとのコラボも継続し、Vシリーズは今後も高級モデルとして新たなコラボ製品が出てくるに違いありません。

  • 次はどんなコラボを出すか楽しみなMeitu

Meituは美顔アプリ「BeautyPlus」が日本を含む全世界で人気となっています。残念ながらMeituのスマートフォンが日本に入ってくる動きは今のところ見えていませんが、今回の大英博物館モデルのような特徴的な製品であれば、限定1万台くらいを日本に出してもあっという間に売り切れるのではないかと思われます。また日本のアニメモデルも日本で出してほしいものですよね。海外メーカーが次々と日本市場に上陸している今、Meituのスマートフォンも限定品でぜひ日本参入してほしいものです。