職場や取引先で見かける「残念なおじさん」。彼らはなぜ、若者から見て"残念"と思われる言動をとってしまうのでしょうか。

マイナビニュースでは、仕事を持つ20~30代のマイナビニュース会員500名を対象に「中高年男性が残念だと思う瞬間」について調査。この連載では漫画にてさまざまなタイプのおじさん像を紹介した上で、『<40男>はなぜ嫌われるのか』の著者で男性学の第一人者・田中俊之氏にその背景を解説してもらいます。

4回目は「リアクション欲しがりおじさん」です。

アンケートでは、残念だと思う瞬間について、若手社員から以下のようなコメントが寄せられました。

・「つまらない親父ギャグを言う」(男性/39歳/埼玉県/サービス)
・「想像を超える下ネタを言う」(男性/23歳/東京都/海運・鉄道・空輸・陸運)
・「若い世代が分からない古いネタを『これぐらいも知らないの?』と言いながら何度も振ってくる」(女性/27歳/東京都/その他)
・「よく知らない古いネタに対してノリの良い対応を求められたこと」(女性/27歳/東京都/その他)
・「おやじギャグの感想を求めてくること」(男性/38歳/神奈川県/医療・福祉)
・「下ネタを仕事中にするのはやめてほしい」(女性/33歳/千葉県/フードビジネス)

田中氏は、常に周囲にリアクションを求めてくるおじさんに対しては、「無視 or リアクション」の選択を慎重にすべきだと助言してくれました。

よく考えてからリアクションしましょう

公然と晒しておきながら、あたかも自分だけの秘密のこだわりであるかのように振る舞うおじさんは少なくありません。高級腕時計などはその典型でしょう。「その時計どこのブランドですか?」と聞いたが最後、延々とつまらないうんちくを聞かされることになります。それも新しい時計を買うたびに。

今回のダジャレもそうしたバリエーションの一つです。一度ダジャレにリアクションすれば、以降は毎日、ダジャレを聞かされることになります。おじさんの「気がついて気がついてアピール」に対しては、「どこまでも無視する」と「どこまでも付き合う」の2択しかありません。どちらの道に進むべきなのか。よく考えてリアクションをとってください。

ちなみに、おじさんの「こだわり」の中でも、とりわけグルメ関連は大変危険です。グルメ漫画『美味しんぼ』を読んで育ったおじさんには、ついつい食通ぶってしまう傾向があります。

会社の近所にある普通の蕎麦屋で「ここの蕎麦うまいですね」などと言おうものなら、「君の食べている蕎麦はまがいものだ。明日の午後、俺に付き合ってもらおう。本物の蕎麦を食わせてやるよ」と誘われ、貴重な時間を無駄にすることになりかねませんよ。

解説: 田中俊之

大正大学 心理社会学部 人間科学科 准教授。
社会学・男性学を主な研究分野とし、男性がゆえの生きづらさについてメディア等で発信している。単著に『男性学の新展開』『<40男>はなぜ嫌われるか』『男がつらいよ』『男が働かない、いいじゃないか!』、共著に『不自由な男たち その生きづらさは、どこから来るのか』などがある。

漫画: 山本ゆうか

フリーランスのイラストレーター・漫画家として活動するワーキングマザー。
ウェブを中心に雑誌、書籍、広告の仕事で活躍している。情報処理学会会誌『IT日和』、チエネッタ『お隣さんの○○事情』イラスト担当中。