「長男の嫁」といえば、気になるキーワードは夫の親との「同居」。「長男と結婚したのだから同居は当たり前」「長男とわかって結婚したんだよね?」と、何となく感じる周りからのプレッシャーってありますよね。

内閣府が発表した「令和元年版高齢社会白書」によると、65歳以上の者のいる世帯のうち3世代世帯(子ども家族との同居の世帯)は、10世帯中1世帯。もしかしたら同居は「当たり前」ではなくなってきているのかもしれません。

それでも「長男の嫁」として、夫の親との「同居」で悩む方も少なくないと思います。長男の嫁として夫の親と同居している筆者が体験してきた出来事と、同居生活を支えているものについてお伝えします。

  • 7人分の晩ご飯を用意するのは大変でした!

とうとう同居! 長男の嫁としてこの日を迎える

何となくいつかはと思っていた「同居」。筆者の場合は、夫の希望が一番の決め手でした。夫は、長男として親を看る意志が強く、また夫の妹たちはすでに遠方に住んでいたこともあり、将来同居は免れない。そう感じていた矢先に、夫の両親から同居の話が出たのです。子どもは年中と1歳前でした。

当時私は、正社員で転職したばかり。土日も仕事があるため、「子どもたちが帰ってくる時間に家族がいる」「土日で夫婦が不在になるとき、子どもたちを見てもらえる」といった期待もあり、「同居したら好きな仕事を続けられる」と思い同居を決意しました。

同居と「一汁三菜」7人分の晩ご飯問題

家族は夫の両親60代と90代の祖母、年中と1歳前の子どもたち、夫と私の7人の4世代家族。さすがにお互いの家では手狭だったので、親の家を建て替えました。転職した私の勤務時間は9時~18時。8時過ぎに家を出ていく私に代わって、義母が保育園の送り迎え、そして仕事の日の晩ご飯と一手に引き受けてくれました。転職したばかりの筆者にとって、家に帰ると温かいご飯が用意されていたことは本当にありがたいことでした。

しかし、義母の負担が大きいこともあり、同居から1年後、筆者が晩ご飯を作らなければいけなくなりました。週の数回はお願いしていましたが、家事の苦手な筆者にとって、晩ご飯作りは悩みの種。どんぶり物で済ませたい日もありますが、基本「一汁三菜」。毎日7人分の買い物とご飯作りに頭を抱える日々でした。またお休みの日は昼ご飯も作ることになるので、なるべく作りたくない私は、休みごとに子どもたちと出かけていました。この時期の外食費や娯楽費は、湯水のように使っていました。

子どもの「ばあばがいい!」の一言に悩む日々

同じ時期、1歳を過ぎた下の子が「ばあばがいい!」と言い出すようになりました。私は子どもとの関係に悩み始めます。そして朝の登園は筆者がするようにしました。そんな中、上の子が小学校に入学することも重なり、それまで9時~18時の正社員の仕事を続けていましたが、悩んだ末、会社に申し出て16時までの短時間勤務に切り替えることにしました。

今は当時の会社を退職し、個人事業主として働いています。子どもとの時間を大切にしながら、子育てママのサポートや子どもたちとの関わりが深い仕事でやりがいもあり、筆者にとってのライフワークとなっています。きっかけは子どもの一言でしたが、筆者の働き方を見直した結果、「私がやりたいこと」が今は実現できています。

「同居してよかった!」と感じた長い夏休み

上の子が小学生になり、初めての夏休みを迎えました。保育園と違って長い休み。子どもたちを親に託して仕事に出かけるのは、とても心苦しい気持ちでした。しかし筆者が仕事から帰ってきたときの子どもたちの表情は満面の笑顔。「今日ね、じいじとばあばが動物園に連れて行ってくれたの!」「今日、中学校の木のところでセミを捕まえに行ったよ!」と、その日あった楽しい出来事を、嬉しそうに話してくれました。

汗だくになっている義父、疲れている素振りをすることなく笑顔で子どもたちと接する義母。長い夏休みに、両親は子どもたちの想い出を作ろうと一生懸命イベントを考えてくれました。

また教育熱心な義母は、子どもの宿題もよく見てくれ、家庭学習用に教材も買ってきてくれました。このことは、「子どもたちにとって同居してよかった!」と筆者を思わせてくれる大きな出来事でした。

筆者が7年の同居生活を続けられた秘策とは?

同居して今7年になりました。夫の両親とは価値観も生活習慣も違います。同居当初は時間に追われ、また親から注意を受けて嫌な気分になることもありました。そんな中でも筆者が7年間の同居生活を続けてこられたのには、2つの秘策があります。それは夫のサポートと子ども中心の家事分担にありました。

(1)夫にサポートしてもらうには?

長男としての責任感の強い夫にとって、同居当初は「親中心」の生活でした。また休みが少なく、夫と話をする時間が取りにくい。そんな中で筆者が取った行動は、子どもが寝てからの晩酌でした。ゆっくりとお酒を飲みながら、夫には「どうしよう」「どうしたらいい?」と相談を持ちかけては、「何のために同居したのか? 子ども中心で考えてほしい」「将来こうなりたい」「こんな仕事をやっていきたい」と気持ちを少しずつ伝えていきました。

初めは夫から「親とうまくやってほしいから、多少の我慢はしてほしい」と言われていましたが、今では筆者が親に伝えにくいことを代わりに伝えてくれたり、仕事面でも「好きにやったらいいよ」と言ってくれるようになったりと応援してくれています。それが筆者にとっての一番の活力となっています。

(2)子ども中心の家事分担と子どもたちの成長

今は子どもの習いごとの終了時間が週2回18時を超えるので、その日は義母に晩ご飯をお願いし、その他仕事で遅い時間のときにも作ってもらうようにしています。早めに義母に私のスケジュールを伝えておくことで、お願いしやすくなりました。負担だった食事作りは、今では週3日ほど義母にお願いするようにしています。

初めは甘えるのが苦手でしたが、子どもたち中心に考えることで、義母にお願いすることへの抵抗も少なくなりました。料理作りが苦手な筆者にとって、義母の料理は私も子どももお楽しみの日で、「今日は、ばあばのご飯よ!」と伝えると、子どもたちは「今日は何? 肉? 魚? そろそろハンバーグがいい!」と嬉しそうにリクエストしています。

そして子どもたちが日々成長していく姿は、私たち夫婦だけでなく祖父母にあたる夫の親にとっても、日々の活力となっているようです。

長男の嫁として、夫の親との「同居」で悩んだとき、筆者の経験が少しでもお役に立てれば嬉しいです。一人で頑張りすぎるママは特に、周りの力を借りながら「ママのやりたいこと」も諦めずに大切にしてくださいね。

西本美乃(ニシモトヨシノ)

FP Wille代表。中学校講師・生命保険会社・保険代理店を経て、現在は金融商品を扱わないファイナンシャルプランナー「3世代の夢をかなえるお金の専門家」として活動中。「もっとみんなでお金の話をしませんか?」をキーワードに、子育てママと子ども向けのマネー講座を開催。私生活は2児の母、夫の祖母と両親との7人家族。
CFP/マイライフエフピー認定講師・マイライフエフピー認定ライター /キッズマネーステーション認定講師
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イラスト=オオノマサフミ