私はイラストレーター&漫画家、夫はフリーのグラフィックデザイナーとして働いていて、2人とも自宅仕事。ほとんど夫婦でずっと家にいるわが家の『ゆるい家事分担』について綴ってみたいと思います。

できたらやる、できるほうがやる

家事については、基本的には妻である私がやっているのですが、私が忙しいときなどは夫がやります。そこに明確な『家事分担』というものはありません。

例えば正午30分前になっても私がパソコンから離れられずに作業をしていると、夫がそれを見て(普段、仕事部屋ではデスクを並べて仕事をしています)、台所にすーっと行って、お昼ごはんを作ります。その際、「ごはん作ってあげたよ」なんてアピールをしたりすることもありません。

人にやってもらう=違うやり方になってしまう

手が空いていれば、気がついたらやるというスタンスの夫。とてもありがたいのですが、しかし! 普段自分がやっていることを人にやってもらうということは、『違うやり方』になってしまうということでもあるのです。

毎日の家事に"マイルール"みたいなものを持っている主婦の方はけっこういるのではないでしょうか。例えば私は、食器洗い機に入れる食器に並び方の順序みたいなものを決めています。しかし、夫の入れ方は全くそれに沿わないものなのです。美学に反すると言ってもいい(笑)!

それから、洗濯物の干し方にも私にははっきりとした『理想形』があります。洗濯が終わったら、まず洗濯物を分類して種類ごとに数を数え、パラソルハンガーやピンチハンガーにバランスよく、かつまんべんなく、風が行き渡るように考えつつ干していきます。しかし手際重視の夫は、手に取ったものからとにかく順に干していくのです。

……私は整然と食器を入れ終わった食洗機や、美しく干し並べられた洗濯物を『作品』として眺めるのが大好きなのにいい。

とはいえ、私も自分のやり方こそが正解であるなんて思ってはいないから、"マイルール"を相手に押し付けることは、本当はしてはダメ、と分かってはいるのです。指示しちゃうと、夫はただの『お手伝いさん』になっちゃいますもんね。"2人とも家にいる"から"できるほうがやる"のだから、それぞれのやり方でやればいいわけです、本来は。

でも、たまに言っちゃうんだよなぁ。「これはこういうやり方でやって」と。

気持ちよく家事をするために必要なこと

そんな自分をかえりみつつ、こういうときに救われるのが娘の存在。小学3年生になり、最近は台所仕事を手伝ってくれるようになりました。お手伝いをお願いするときはイチから教えられるので「本当はこういうやり方でやってほしい!」というジレンマにさいなまれることもありません。

そしてやっぱりうれしいのは、家事への理解と感謝の言葉ですよね。家の仕事は炊事や洗濯だけではないわけで、他に庭の手入れ、薪ストーブのための薪割りや煙突掃除、ゴミ出し、電球の交換、自転車のパンク修理などをほぼやってくれる夫には、私も感謝しています。

それぞれが得意なことを担いながら、家事をしてくれる人に対して気持ちいい言葉を投げかけられたら、あまりお互いに不満が出ることもない気がしています。

著者プロフィール

前川さなえ
イラストレーター
1980年三重県四日市生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒業後、デザイン会社勤務を経て結婚と同時にフリーのイラストレーターに。商業イラストをメインに似顔絵師としても活動。 妊娠をきっかけに始めたブログ「ぷにんぷ妊婦」で、ドタバタながらも楽しく充実した子育ての日々をつづっている。ブログを書籍化したコミックエッセイ『ぷにんぷかあさん~今日も育児日和~』(マイナビ)、『5歳だって女。』(KADOKAWA)、『ハンドメイドで楽しい毎日! わるのりてづくり』(二見書房)販売中。好きな曲がり角は左折。