新京成電鉄は、2月17日に申請した鉄道線(京成津田沼~松戸間)における旅客運賃の上限変更認可に関して、6月2日に認可を受け、同日付で旅客運賃設定の届出を行ったと発表した。改定日は10月1日を予定している。

  • 新京成電鉄の車両80000形(報道公開にて撮影)

新京成電鉄はこれまで安全・安定輸送に努め、事業に取り組んでいたが、新型コロナウイルス感染症を起因とした新しい生活様式の定着により、旅客需要が大幅に減少。鉄道事業としては3期連続で営業損失を計上しているという。

このような状況下において、輸送の安全確保およびサービス改善に向けた投資を継続するにあたり、現行運賃では鉄道事業を健全に維持することが困難となったため、利用者の負担を考慮しつつ、旅客運賃を改定するとのこと。今回の改定は、消費税率変更によるものを除くと、1995(平成7)年10月以来、28年ぶりの改定となる。

届出を行った所定運賃(認可が得られた範囲内で実際に収受する運賃)に関して、普通旅客運賃は営業キロ1~5kmの初乗り運賃のみ20円値上げ、営業キロ6~9km・10~13km・14~17km・18~22km・23~27kmはそれぞれ10円値上げに。ICカードに適用される1円単位運賃は167~272円、きっぷに適用される10円単位運賃は170~280円となる。定期旅客運賃も値上げに。通勤定期(大人1カ月)は営業キロ1~5kmで6,240円(現行より680円値上げ)、営業キロ23~27kmで1万420円(現行より880円値上げ)。通学定期(大人1カ月)は営業キロ1~5kmで3,290円(現行より300円値上げ)、営業キロ23~27kmで5,550円(現行より410円値上げ)となる。

  • 老朽化が進行している8800形の車両代替も定期的・継続的に行う

あわせて今後のおもな設備投資についても発表。昭和末期から平成初期にかけて多くの編成を導入した8800形について、老朽化が進行していることから車両の代替を定期的・継続的に行う。既存車両もVVVF等の機器更新を行い、省エネ化も実施。防犯カメラは全車に設置する。他にも安全対策やサービス改善などに向けた設備投資を行う計画としている。