京阪ホールディングスは30日、京阪グループ長期経営戦略・中期経営計画の策定について発表した。中期経営計画の中で、運輸業の事業戦略として、京阪電気鉄道が運行する「プレミアムカー」の増備や、観光列車の導入検討などが盛り込まれた。

  • 京阪電気鉄道3000系「プレミアムカー」(3850形)

「プレミアムカー」は2017年にスタートした有料座席指定サービス。8000系の中間車(6号車)を改造して運行開始し、好評だったことから3000系の中間車(6号車)にも新造車両の「プレミアムカー」が導入され、2021年に運行開始している。コロナ禍の影響を受けた2020年度を除き、「プレミアムカー」の利用者数は順調に推移し、2017年度の利用者数(指数)を100とした場合、2021年度は200以上でコロナ禍前の2019年度を上回り、2022年度も300以上に増加したという。

利用者のライフスタイルの変化や、安心して移動できるサービスへのニーズが高まっていることを受け、上質な移動体験のさらなる提供に向けて「プレミアムカー」の増備を実施することとなった。「2025年秋をめどに一部列車で連結数を現在の1両から2両に増やす計画」「紺と白を基調とした3000系車両で、8両のうち2両をプレミアムカーにする」と地元紙が報道している。

  • 3000系「プレミアムカー」の車内

京阪電気鉄道は特別な乗車体験の提供をめざし、沿線エリアの誘客強化に向けて観光列車の導入も検討する。その他、京阪本線連続立体交差事業を推進し、環境配慮型車両である13000系の導入を加速するとともに、ワンマン運転の拡大も検討。効率的な車両・鉄道施設の運用、CBM(状態基準保全)の推進など保守業務におけるDX推進も図るとしている。