JR東日本八王子支社は25日、「東京アドベンチャーライン」(青梅線青梅~奥多摩間)専用列車として運行開始するE233系4両編成のラッピング列車「春編成」を報道公開した。「春編成」を皮切りに、「夏編成」「秋編成」「冬編成」が1編成ずつ登場する予定となっている。

  • 「東京アドベンチャーライン」(青梅線青梅~奥多摩間)の新ラッピング列車が登場。「春編成」がお披露目された

「東京アドベンチャーライン」では、2019年7月にラッピング列車1編成が登場し、現在も活躍中。現行のラッピング列車は「東京アドベンチャーラインで遊ぼう!」をコンセプトに、ヘッドマークを掲出し、車体のドア横や車内の各部に沿線の動植物が遊んでいるようなデザインのラッピングを施している。

「春編成」を含む新ラッピング列車4編成のコンセプトは「乗って楽しいわくわくする列車 ~東京アドベンチャーラインで遊ぼう!~」。現行のラッピング列車を踏襲したデザインとしつつ、沿線の多彩な動植物をモチーフにしたラッピングを行い、編成ごとに春・夏・秋・冬の季節を表現するとともに、ヘッドマークも掲出する。ラッピングのデザインは、「ご利用のお客様に新鮮さとわくわく感を感じていただきたい」との思いから、青梅駅・拝島駅・高麗川駅、立川車掌区・立川運転区の社員が考案したという。

  • 4両編成のE233系1編成(P518編成)が「春編成」になった。両先頭車にヘッドマークを掲出

  • 「東京アドベンチャーライン」のロゴマークもラッピングされている

報道公開では、「春編成」のラッピング列車(P518編成)を公開。両先頭車の前面に、桜色の背景に「東京アドベンチャーライン」のロゴマークを配したヘッドマークを掲出した。車体側面においても、先頭車両(7・10号車)の乗務員室寄りのドア横に正方形のロゴマークを配置している。オレンジ色のラインの下部に、長方形デザインのロゴマークも。先頭車両はJRマークの下、中間車両(8・9号車)は左右の窓下にロゴマーク(長方形)が掲出されている。

車体側面に関して、「東京アドベンチャーライン」のロゴマークより後ろに季節ごとのラッピングを行っている。「春編成」では、桜色の背景にしだれ桜、紅梅、菜の花、うぐいす、水仙の5種類で各4パターン、計20種類のラッピングが施された。動物・植物のイラストとともに、「春の東京アドベンチャーラインで遊ぼう!」というメッセージも掲載。他の3編成も、計20種類(5種類×4パターン)のラッピングが行われるという。

  • 7号車のラッピング

  • 8号車のラッピング

  • 9号車のラッピング

  • 10号車のラッピング

ラッピングは車両ごとに細かな違いがある。うぐいすを例に挙げると、7号車のうぐいすは1羽で羽ばたく姿が描かれ、8号車のうぐいすも1羽で羽を畳んでいる。9号車のうぐいすは2羽で飛んでおり、10号車のうぐいすも2羽で羽を畳む姿が描かれている。

植物のラッピングに関しても、号車ごとに枝・花の本数などに違いがある。それに合わせて、文字の横書き・縦書きに変化のあるラッピングもある。他の3編成も同様の違いがあるので、運行開始したら探してみてほしい。

なお、「夏編成」ではオオルリ、カブトムシ・クワガタ、レンゲショウマ、紫陽花、蛍、「秋編成」ではリス、紅葉、どんぐり、トンボ、りんどう、「冬編成」ではフクロウ、ムササビ、ヤマメ、わさび、やまどりを各4パターンで車体にラッピングするとのこと。

  • 同じ動物・植物のラッピングでも、車両ごとに細かな違いがある(画像はうぐいす)

かつて青梅線青梅~奥多摩間で、201系1編成を改造して運行された「四季彩」は、1両ごとに春・夏・秋・冬のデザインを採用し、1編成だけで四季を表現していた。新たに登場するラッピング列車は、4編成で1つずつ季節を担当。既存のラッピング列車1編成と合わせ、計5編成で「東京アドベンチャーライン」専用列車として運行される。

報道関係者らに公開された「春編成」は1月28日から運行開始する予定。その後、2月2日に「夏編成」、2月6日に「秋編成」、2月9日に「冬編成」がそれぞれ運行を開始する。なお、運用の都合により、ラッピング列車が「東京アドベンチャーライン」以外の区間を走行する場合もある。