大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)は、国土交通省近畿運輸局長に、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用した料金設定と整備計画の届出を行ったと発表した。この制度を活用してバリアフリー化の促進に取り組み、2025年度までに可動式ホーム柵(ホームドア)を全駅に設置し、2026年度以降にエレベータールートの複線化などを促進する。

  • 可動式ホーム柵

バリアフリー設備の整備に関する今後の取組みとして、これまで整備したエレベーター、エスカレーター、可動式ホーム柵、車両などについても適切に維持・更新するとともに、新たな設備整備の推進により、さらなるバリアフリー化を追求する。

可動式ホーム柵は、ホームからの転落や接車事故の撲滅のため、2025年度末の全駅設置完了に向け、堺筋線、四つ橋線、中央線、谷町線において整備を推進。ホームかさ上げやくし型ゴム設置は2026年度末の全駅完了をめざし、利用の多い御堂筋線の車両についても低床化による段差解消を目的に、更新を前倒しで進めていく。

  • 段差隙間縮小

  • 旅客案内表示器

  • サービス情報表示器

エレベーターは、現状のバリアフリー経路だと大幅な迂回が必要となっている駅で整備を進め、バリアフリー経路を複数ルートに増やして地下駅へのアクセス性の向上を実現する。エスカレーターは利用の多い御堂筋線と中央線を優先し、改札階から地上間や乗換経路などを中心に整備を進めていく。その他、全駅で改札口やホーム階段部の音案内設備やサービス情報表示器の整備に取り組み、聴覚や視覚により施設・各種情報を案内する設備を充実するとのこと。

鉄道駅バリアフリー料金は全路線を対象に、定期外ではICカード・きっぷともに10円、通勤定期は1カ月380円、3カ月1,080~1,090円、6カ月2,050~2,060円を現在の大人普通旅客運賃に加算(通学定期は加算なし)。大人普通旅客運賃にもとづく各種回数券、団体乗車券、1日乗車券にも加算し、小児については鉄道駅バリアフリー料金加算後の大人の半額とする。収受開始は2023年4月1日を予定している。