パナソニック エレクトリックワークス社(以下、パナソニックEW社)は5月23日、照明器具「スマートアーキ」の新製品となる「llumiro(ルミロ)」を発表した。基本的には、公園や街灯といった屋外業務用途向けとなる。6月1日に発売し、価格は88,000円から。

  • パナソニック エレクトリックワークス社の屋外照明「llumiro(ルミロ)」

近年は人が過ごす屋外空間が増えているが、パナソニックEW社は「心地よく過ごすための明かりがない」と考え、今回のllumiroを開発した。眺めたくなる情緒的な明かり、現代の景観への調和、旧来の明かりの価値に立ち返る、といった照明を目指している。

llumiroはオイルランプの光り方をモチーフにしており、ポイントは「導光ロッド(アクリルの棒)」を使った光の導きだ。llumiro内部で垂直に配置された導光ロッドの下から、光源となるLEDを照射するのだが、この光は導光ロッドの中で反射を繰り返して外部に出てこない(ミクロで見れば光は漏れる)。光ファイバーと似たようなものと思ってよい。

しかし、導光ロッドの表面には小さな凹凸が加工されており、これが「マイクロプリズム」となって光の反射角度を変え、導光ロッドの外へと光を出す。すると人間の目には導光ロッドが発光しているように映るわけだ。

  • 導入ロッドの表面には微細な「マイクロプリズム」を加工

  • マイクロプリズムによって、LEDが発する光の方向(光り方)を制御

導光ロッドの表面には約20,000個のマイクロプリズムがあり、配置する場所やパターンによって光り方(導光ロッドの内から外に出る光の方向)をかなり自由にコントロールできる。llumiroの初期ラインナップには以下の4タイプがあり、それぞれ光り方が違う。

  • Coreタイプ:きらめく光の核(コア)
  • Gradationタイプ:降り注ぐ光の濃淡
  • Twinkleタイプ:星屑のようなきらめく光の粒
  • Lineタイプ:象徴的な光のライン
  • Coreタイプ

  • Gradationタイプ

  • Twinkleタイプ

  • Lineタイプ

  • Coreタイプ

  • Gradationタイプ

  • Twinkleタイプ

  • Lineタイプ

llumiroはまた、照明そのものを眺めて楽しむこともコンセプトのひとつにしている。そこでllumiroの設置時には、人の視線があると思われる方向へ発する光を適度に抑えて、まぶしさではなくきらめきを感じるような配光設計を行う。

光の色温度は電球色といわれる2,700K(ケルビン)で、ほかにも3,000K・3,500K・4,000Kに変更できる。より高い色温度や調色(カラー化)も技術的には可能とのことで、市場動向を見ながら研究、検討していく。消費電力は各タイプとも3.7W、明るさ・ランプ効率は以下の通り。

  • Coreタイプ:105ルーメン、28.3 lm/W
  • Gradationタイプ:95ルーメン、25.6 lm/W
  • Twinkleタイプ:75ルーメン、20.2 lm/W
  • Lineタイプ:115ルーメン、31.0 lm/W

商品ラインナップとしては、上記の4タイプそれぞれに、ローポールライトとフットスタンドライトを用意。フットスタンドライトにはさらに、ケーブル埋設型とケーブル露出型がある。

  • llumiroのフットスタンドライト。左から、Coreタイプ、Gradationタイプ、Twinkleタイプ、Lineタイプ