ルネサス エレクトロニクスは11月17日、ローエンドFPGA市場への参入を表明。低消費電力かつ低価格なFPGA「ForgeFPGA(フォージエフピージーエー)」ファミリを発表した。

同ファミリは5000ゲート以下のロジックを必要とするアプリを対象とし、0.5ドル以下の価格帯で提供することで、従来コスト的にFPGAを使用できなかったアプリケーションでの適用を目指すとする。

第1弾として、1K LUTならびに2K LUT製品の提供を予定しており、すでに1K LUT品についてはサンプル出荷を開始したという。また、その性能としては、待機時消費電力20μA以下となる見込みとしており、低消費電力での利用を可能とするとしている。

また、FPGAの回路設計というと、Verilog-HDLや VHDLといったハードウェア記述言語(HDL)での記述が基本であるが、そうした従来型の開発を行うエンジニアに向けたVelilog環境を提供する「HDLモード」の開発環境が提供されるほか、FPGAの開発経験が浅いエンジニア向けに、回路図のキャプチャをベースにした開発フローを採用した開発フローを採用した「マクロセルモード」の開発環境も用意。いずれもライセンス料不要で提供されるという。

同社によると、ForgeFPGAは、同社が買収したDialog Semiconductorの一員である旧Silego Technologyが手掛けてきたプログラマブルミクスドシグナルデバイス「GreenPAK」の開発チームが手掛けたとしており、ルネサスが長年開発を続け、一部のe-AI向けプロセッサにも採用されている回路構成をダイナミックに切り替え、さまざまな用途を1チップで対応させることを可能とする技術である「DRP(Dynamic Reconfigurable Processor)」とは別系統である模様。GreenPAKそのものがCPLDとFPGAの中間に位置するプログラマブルデバイス的なもので、ForgeFPGAはそのビジネスモデルや技術的な系譜を引き継いだものとなるとみられる。

なお、同社ではすでに1K LUT製品のサンプルのほか、ベータ版開発ツール、およびプロトタイプの開発キットも提供を開始したとしており、1K LUT製品の一般発売と量産は、2022年第2四半期を予定しているという。

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    ForgeFPGAのパッケージ外観