「世界で最も多く売られるヘッドホン」として知られるアップルのAirPods。2016年12月に初代モデルが登場して以来、年齢や性別を問わず幅広い層に指名買いされ、通勤電車や街中ではAirPodsを耳にしている人を見かけない日はないほどになりました。

そのAirPodsが、形状や構造を一新した大規模な改良を実施し、第3世代モデルとして登場。すでにAirPodsシリーズを愛用している人が気になる「どこが変わった?」「買い替える価値はある?」といった点を中心にまとめてみました。

  • 第3世代となる新しいAirPodsがいよいよ登場。AirPods Proに迫る実力を持つ意欲作に仕上がっていた。価格は23,800円で、10月26日から販売が始まる

フィット感が向上、装着時に目立ちにくくなった

これまでのAirPodsは、かつてiPhoneに付属していた有線イヤホン「EarPods」の形状を継承しており、EarPodsを使い慣れた人が違和感なくすんなり移行できるようにしていました。新しいAirPodsは、内部構造を一新して音質を改善したうえで、AirPods Proに似たグラマラスな外観に変更して耳へのフィット感を高めています。

  • 第2世代AirPods(左)と第3世代AirPods(右)。充電ケースはAirPods Proのような横長タイプになったが、サイズはほぼ同じ

  • イヤホンは、AirPods Pro似の立体感のある形状になった。従来モデルと同様にイヤーピースは装着できない

  • 第2世代AirPods(左)、第3世代AirPods(中央)、AirPods Pro(右)を比較。第3世代AirPodsは軸がかなり短くなったのが分かる

実際に装着したところ、耳の中に収まる部分が従来よりも少し大きくなったこともあり、よりしっかりと耳の穴にフィットする印象を受けました。密閉性を重視したAirPods Proとは異なりイヤーピースはないので、「AirPods Proは装着時の圧迫感が気になる」と感じた人も違和感なく使えると思います。軸の長さが従来の3分の2ほどに短くなり、装着時に目立ちにくくなったのもうれしい改良点といえます。

さらに、本体や充電ケースを防水構造に改良したのもポイント。防水対応のiPhoneに慣れていると、AirPodsもうっかり濡れた手で触ってしまいがちでしたが、新しいAirPodsでは問題なくなります。

低音が豊かになり、AirPods Pro似のパワフルなサウンドに

筆者はオーディオマニアではないので、細かな音質の違いを聞き分けるのは苦手です。しかし、ふだんよく聴くお気に入りの楽曲を第2世代AirPodsと新しい第3世代のAirPodsで聞き比べたところ、明らかに「低音が豊かになってパンチのあるサウンドになった!」と実感できました。

第2世代AirPodsは、ボリュームをある程度上げても低音は控えめな印象でしたが、新しい第3世代のAirPodsはしっかりとした低音が耳に響きます。ボリュームを絞っても低音はしっかり奏でられるので、音量をあまり大きくしなくても満足できます。サウンドの仕上がりはAirPods Proに近い印象で、ワンランク上のサウンドになったといえます。

バッテリーの持ちは2割アップ、MagSafeへの対応も

バッテリーでの音楽再生時間は6時間で、充電ケースを併用すれば30時間も楽しめます。第2世代モデルは再生時間が5時間、充電ケースの併用で24時間だったので、2割ほどアップしたことになります。わずか5分の充電で1時間の音楽再生が楽しめる急速充電にも対応しており、ワイヤレスイヤホンにつきものだったバッテリーまわりのストレスはかなり軽減されたと感じます。

新しいAirPodsで特筆したいのが、MagSafeに対応したこと。iPhone用のMagSafe充電器やバッテリーパック、充電スタンドの多くがそのまま利用できました。これまでのAirPodsもワイヤレス充電に対応していましたが、充電器の特定の位置にしっかり置かないと充電されないのがストレスでした。MagSafeに対応したことで、磁力で充電ポイントにシュッと引き寄せられてくっつくので、充電ミスともオサラバできます。すでにiPhone 12シリーズやiPhone 13シリーズでMagSafeを活用している人は、AirPodsライフもより便利になるでしょう。

  • 新しい第3世代AirPodsは、市販のMagSafe対応充電器で充電できる。写真は、Apple Watchも同時に充電できるベルキンの「MagSafe 3-in-1磁気ワイヤレス充電器」(実売価格は16,000円前後)

  • 近づけるだけでMagSafeの充電部にピタッとくっつき、面倒な位置合わせの必要なく充電が始まる

  • アップル純正の「MagSafeバッテリーパック」のほか、MagSafeに対応したモバイルバッテリーでも充電できる

「第2世代よりも価格が高くなった!」は誤解だった

AirPodsシリーズの現行モデルは、第2世代AirPods、新しい第3世代AirPods、AirPods Proの3モデルとなっています。価格は以下の通りで、「第3世代AirPodsは第2世代AirPodsよりもかなり高くなった!」と感じるかもしれません。しかし、新旧モデルをよくチェックすると、実際は値上げどころか値下げされていることが分かりました。

製品名 ワイヤレス充電 価格
AirPods(第2世代) 非対応 16,800円
AirPods(第2世代) 対応 25,080円(※販売終了)
AirPods(第3世代) 対応(MagSafeも対応) 23,800円
AirPods Pro 対応(MagSafeも対応) 30,580円

継続販売される第2世代AirPodsですが、付属の充電ケースはワイヤレス充電に対応していないタイプになります。ワイヤレス充電対応の充電ケースが付属した第2世代AirPods(第3世代AirPodsの登場を受けて販売終了)の価格は25,080円だったので、ワイヤレス充電対応ケース付属モデルの価格で比べると、第3世代AirPodsは1,280円安くなっています。さまざまな機能強化を図りつつ価格がコッソリ引き下げられているのは、大いに評価できます。

AirPodsを使い込んでいる人こそ買い替えの価値アリ

これまで述べたように、「形状の変更でフィット感が向上」「イヤホン本体、充電ケースとも防水対応に」「低音が豊かでパンチのある音質に向上」「バッテリー再生時間が延びた」「MagSafe充電に対応」「価格は実質的に値下げ」といった点に魅力を感じた新しい第3世代のAirPods。ほかにも「空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキングに対応」「置き忘れ防止通知に対応」など、AirPods Proと同等の内容に強化された部分もあります。

すでに第1~第2世代のAirPodsを愛用している人にとっては、買い替えるかどうかが悩ましいところ。新しい第3世代のAirPodsは、形状の変更で耳へのフィット感が変わっているので、実際に装着して違和感がないと感じたならば、買い替えを決断しても後悔しないと思います。特に、使い込んでバッテリーがあまり持たなくなっている人は、バッテリー&充電のストレスから解放されるだけでも買い替える価値があるといえます。

AirPods Proを使っている人は基本的に買い替える必要はないと思いますが、「装着時、イヤーピースの圧迫感が気になる」「アクティブノイズキャンセリング機能特有の、耳の奥に伝わる圧迫感で疲れてしまう」と感じている人は、それらの欠点がない新しい第3世代のAirPodsへの買い替えを検討してもよいでしょう。

完全ワイヤレスイヤホンの秀作として業界のお手本的な存在になったAirPods、新しい第3世代モデルで再び新たなスタンダードになりそうです。