Appleは10月18日(米国時間)、新しいMacBook Proの発表とともに「Final Cut Pro 10.6」、「Motion 5.6」、「Logic Pro 10.7」をリリースした。Final Cut ProとMotionはオブジェクト・トラッカーとシネマティックモードに対応、Logic Proは空間オーディオミックスへの変換をサポートする。価格はそれぞれ36,800円、6,100円、24,000円。既存ユーザーには無料アップデートとして提供される。

オブジェクト・トラッカーは、機械学習を使って顔やオブジェクトを検出し、動いている映像にダイナミックテキストや色補正をマッチさせる。タイトル、グラフィックス、エフェクトをビューアにドラッグすると顔やオブジェクトの動きが自動的に検出され、Apple Silicon搭載MacではNeural Engineによる高速なビデオ解析を利用できる。

シネマティックモードは、iPhone 13シリーズのビデオ撮影機能の1つ。機械学習と視差を利用して深度マップを作成し、ピントの位置や周囲のボケを調整して映画のシーンのような奥行きのある表現を可能にする。iPhoneでは「写真」アプリや「iMovie」を使ってビデオの被写界深度や焦点ポイントを調整でき、Final Cut Pro 10.6やMotion 5.6の登場によってMacでも編集できるようになった。ビューアのシネマティックツールで顔やその他のオブジェクトを選択して、それに焦点ポイントが移るように変化させることが可能。また、インスペクタでスライダを使って被写界深度エフェクトを調整したり、キーフレームでぼかしの強弱を変更できる。

Logic Pro 10.7は、サラウンドに対応したプラグインをドルビーアトモス(Dolby Atmos)に最適化、空間オーディオのミックスの作成に必要なツールを全て揃えており、Apple Musicに対応したドルビーアトモスのファイルを簡単に書き出せる。統合されたドルビーアトモスのプラグインを使用して、ミックス内の3Dオブジェクトを視覚化し、マルチスピーカーシステムではマルチチャンネルモードで、ヘッドフォンの場合はバイノーラルモードでモニター可能。

また、「BoysNoize」「Mark Lettieri」「Mark Ronson」「Oak Felder」「Soulection」「Take A Daytrip」「Tom Misch」「TRAKGIRL」などロイヤリティフリーのサウンドを含む8つのプロデューサーパック、2,800以上のループ、50のビンテージおよびモダン・ドラムキットなどが追加された。