アイドルグループ・SixTONESの京本大我が主演を務めるミュージカル『ニュージーズ』が9日、東京・日生劇場で初日を迎えた。

京本大我

京本大我

同作は2012年にトニー賞を席捲した大ヒットブロードウェイミュージカルで、1899年のニューヨークを舞台に新聞販売の少年たち“ニュージーズ”の奮闘を描く。ボブ・ツディカーとノニ・ホワイトが脚本を手掛けた同名映画を原作に、ブロードウェイではディズニー・シアトリカル・プロダクションズ製作により初演を迎え、トニー賞8部門にノミネート(2部門受賞)、ドラマ・デスク・アワード6部門にノミネート(2部門受賞)され、ブロードウェイで2年間通算1,004回公演を達成した作品が、日本初上陸となった。

主演の京本は圧倒的な美声を響かせ、咲妃演じる聡明なヒロイン・キャサリンと恋模様も繰り広げる。さらに、権力に抗うニュージーズたちのダンスと歌声が劇場に力を生み出していた。初日を終えた京本は、カーテンコールにて「昨年の中止から1年半、本当にお待たせしてしまって、僕たちももどかしい思いをしていたんですけど、まず初日を開幕できたことが何よりも嬉しく思います」と喜びを表す。「僕たち一人ひとり、カンパニー全員、スタッフの皆さんも含めて、どれだけ『ニュージーズ』を愛しているか。その愛を届けられたんじゃないかな」と自信を見せた。

演出の小池修一郎が呼び込まれると、京本のことを「去年より数倍うまい。歌も演技も堂々たるもので、ここまでやれるようになるとは思いませんでした」と絶賛。「2014年に『エリザベート』のルドルフを探してジャニー喜多川さんにご相談した時に『1人送ります』とオーディションをして、歌えるなと思ったんですけど、こういう日が来るとは。夢には思っていたんですが、実際にこういう日が来て、こんなに嬉しいことはありません。今日のこの舞台は天国のジャニーさんも観てくれてるかなと思い、感謝の意を捧げたいです」と天井を見上げる。

小池が「最後に京本座長、『本日はありがとうございました』の前に何か言って」と指示すると、京本は「リハーサルじゃないんで! ダメ出しみたいに言わないで」と苦笑。「こうやってお客さんに来ていただいて初日を迎えられたのが、何よりも嬉しいなと思いますし、忘れられない1日になりました」としみじみし、「心の中が空っぽになって、喪失感とか色んな思いがあったんですけど、こうしてミュージカルの世界をスタートできたので、これからもつっ走って色々吸収して勉強して、最後まで大成功させて、皆さんの記憶に残る作品にしたいと思います」と意気込んだ。

幕が閉まった後も、観客のコールに応え1人登場した京本は「皆さんも声を出せないフラストレーションがあるだろうけど、拍手だけでもめちゃくちゃ伝わるので、また観に来ていただける方、他の舞台でも観劇される方はたくさん拍手を送ってくださればと思います。どうかこれからも温かい拍手を。僕たちが良いお芝居をできた時だけくれたらと思います」と茶目っ気も交えながら観客に語りかけた。

東京公演は日生劇場にて10月9日~10月30日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて11月11日~11月17日を予定している。

京本大我 コメント

人生最大のチャレンジと言っても過言ではない程、高く大きな壁を目の前に感じながら日々稽古してきました。『ニュージーズ』を知っている方からすれば、ジャックと僕のイメージはかけ離れていると思いますが、僕だからこそ演じられるジャックを必ず皆様にお届けしたいです。これから長丁場になりますが、エネルギッシュでパワフルなカンパニーと共に、最後まで駆け抜けたいと思います。ミュージカルの素晴らしさが存分に詰まったこの『ニュージーズ』を、これからもよろしくお願いします。

咲妃みゆ コメント

昨年4月に涙を飲んでから今日まで開幕を願いに願い続けて1年以上。多くの方々のご尽力あってこそ、ようやくここまで辿り着けたのだと感謝の気持ちでいっぱいです。怯むことなく立ち向かう勇気、支え合い助け合う中で育まれる強い絆…胸が熱くなるシーンに溢れた素晴らしいミュージカルだと感じています。ご覧くださる皆さまに笑顔と心の栄養をお届け出来ますように…。劇場でお待ちしております!

松岡広大 コメント

遂に幕が上がります。感に堪えないとはまさにこのことです。苦節の月日が流れました。お客様と共に辛抱をしました。これまでの皆様の憂色をどうにかして晴らしたいと思っています。お座席に着かれましたら、どうぞ心は解放してご観劇下さいませ。劇場はそれができる空間だと感じています。日頃の束縛から放たれ、『ニュージーズ』の世界を存分に楽しんで頂けたら幸いです。

加藤清史郎 コメント

こうしてようやく皆さんの元へ『ニュージーズ』をお届けできると思うと、「この日のために、これまでの涙や汗があったのかもしれない」なんて思ったりして。ワクワクとドキドキが止まりません。『ニュージーズ』を通して、少しでも多くの方が元気になってくれたら、それ以上に幸せなことはありません。大我ジャックの"FOREVER NEWSIES"という言葉を信じてきて本当に良かった。最後まで突っ走らせて下さい!!

霧矢大夢 コメント

昨年の中止という雪辱から、パワーアップしていよいよ『ニュージーズ』日本版が開幕します。私が演じるメッダは、ジャック、キャサリン、ニュージーズ達を支え、見守る立場ですが、親心の如く、自慢の若者達を早く皆さまの前にお披露目したくてウズウズしています。メッダの劇場シーンでは、華やかに、貫禄たっぷりに「That’s Rich」を歌わせて頂きます。芸術の秋に相応しい、劇場でのパワーを体感して頂きたいです。お越しをお待ちしております!

松平健 コメント

私の演じる新聞社オーナーのピュリツァーは、若きパワーのニュージーズたちに立ちはだかる権力者の象徴です。少年たちのリーダー・ジャックとの対決では、底知れぬ若いエネルギーと底の厚い老巧なエネルギーのぶつかり合いをお楽しみいただきたいと思います。挑み来る少年たちとの熱い戦いを通して、近代アメリカのニューヨークという未成熟な街の魅力、そこで生きる者たちの未完成ながらも果てしない情熱も併せてご覧いただけたらうれしいです。