近畿日本鉄道の特急車両「ひのとり」(80000系)が7月19・21日、試運転のため山田線・鳥羽線・志摩線へ初入線。賢島駅で「しまかぜ」「伊勢志摩ライナー」などの特急車両と並ぶ場面もあり、こどもたちを連れた家族や鉄道ファンらでにぎわった。

  • 近鉄の特急車両「ひのとり」が試運転で賢島駅へ

昨年3月にデビューした「ひのとり」はおもに名阪特急で活躍し、大阪難波駅・近鉄名古屋駅を毎時0分に発車する特急列車をはじめ、停車駅の少ないタイプの特急列車は「ひのとり」での運転となっている。メタリックレッドの先進的かつスピード感ある車体フォルムに加え、プレミアム車両・レギュラー車両の全席にバックシェルを採用するなど快適性も追求し、今年の鉄道友の会ブルーリボン賞にも選定された。

「ひのとり」が山田線・鳥羽線・志摩線に初入線し、試運転を行うことは同社サイトや公式Twitter「近鉄通信」などで事前に案内されており、7月19日に試運転が行われた後、賢島駅で「ひのとり」「しまかぜ」「伊勢志摩ライナー」が並んだ写真も公開された。7月21日の試運転では、「ひのとり」が12時15分頃、賢島駅へ1回目の入線。3番ホームに入り、2番ホームの「伊勢志摩ライナー」、4番ホームの「しまかぜ」と並んだ。

その後、「ひのとり」は志摩線を往復し、13時53分頃、賢島駅へ2回目の入線。1番ホームに「伊勢志摩ライナー」、2番ホームに「ビスタEX」、3・4番ホームに「しまかぜ」が並ぶ中、普通列車の停車ホームである5番ホームに「ひのとり」が入り、赤色・青色・黄色の色鮮やかな特急車両ですべてのホームが埋まった。この光景をひと目見ようと、ホームや駅周辺に多くの人が集まり、こどもたちも喜んでいた様子。改札外の突設ブースにて行われた「ひのとり」グッズの臨時発売も、買い求める人の列ができるなど人気だった。

  • 12時15分頃、「ひのとり」が賢島駅に到着。「しまかぜ」「伊勢志摩ライナー」と並んだ

  • 13時53分頃、「ひのとり」が再び賢島駅へ。「しまかぜ」「伊勢志摩ライナー」に「ビスタEX」も加わり、色鮮やかな特急車両ですべてのホームが埋まった

  • 賢島駅を出発し、志摩線を走る「ひのとり」

近鉄は8月末以降に「ひのとり」志摩線入線記念ツアーを実施すると発表している。8月20・27日と9月10日に近鉄名古屋~賢島間(往路は近鉄名古屋駅10時4分発・賢島駅12時51分着、復路は賢島駅16時35分発・近鉄名古屋駅19時28分着)、8月23・24・25日に大阪上本町~賢島間(往路は大阪上本町駅9時42分発・賢島駅12時51分着、復路は賢島駅16時35分発・大阪上本町駅19時37分着)で「ひのとり」の貸切列車を運転する予定だという。