えちごトキめき鉄道の「国鉄形急行電車」413・455系が6月17・18日に試運転を行い、直江津駅から糸魚川駅、妙高高原駅まで往復した。この列車は7月4日の運行開始を予定しており、定期列車(急行)や観光列車で活躍するという。

  • 「越後」のヘッドマークを掲げ、試運転を行う国鉄急行色の413・455系

同社は北陸地区のJR線で活躍していた近郊形電車413系1編成(3両編成)と、国鉄時代の急行形電車の雰囲気を残す「クハ455-701」の計4両をJR西日本から譲り受けた。松任工場で国鉄急行色に塗り直し、今年4月に直江津運転センターへ輸送。413系の先頭車「クハ412-6」は「直江津D51レールパーク」の扇形庫内に展示されている。

「クハ455-701」と、413系の「モハ412-6」「クモハ413-6」は3両編成を組み、定期列車・観光列車に使用される。ATS-Psの車上子の取付け工事がほぼ完了し、構内試運転を経て、7月4日の運行開始に向けての試運転が始まった。

試運転の時刻はえちごトキめき鉄道代表取締役社長、鳥塚亮氏のブログに公開された。当初予定されていた6月16日の試運転は車両不具合で中止となったが、6月17・18日の試運転は予定通り実施。午前に直江津駅から日本海ひすいライン経由で糸魚川駅まで、午後に直江津駅から妙高はねうまライン経由で妙高高原駅まで往復した。6月17日はヘッドマークを掲げて試運転を行い、妙高高原駅でしなの鉄道の115系と並び、高田~直江津間で最後尾車両を「越後」の表示にしたことが鳥塚社長のブログで報告されている。

6月18日の試運転でも、「クハ455-701」にヘッドマークを取り付け、11時5分頃に直江津駅を出発した時点で「越後」と表示しての運転だった。日本海ひすいラインを往復し、12時45分頃に直江津駅へ戻ってきた後、13時頃に再び出発して妙高はねうまラインへ。妙高高原駅から戻る途中、高田駅では普段あまり使用されない3番線ホームに入り、上越妙高行の特急「しらゆき」と待ち合わせを行った。その後、新井行の普通列車を待っている間に、上越妙高駅から折り返してきた「しらゆき」の回送列車が2番線ホームに入り、413・455系と並ぶ場面も。「しらゆき」の回送列車に抜かれるのかと思いきや、先に出発したのは413・455系のほうだった。

  • 直江津駅を出発し、日本海ひすいラインを糸魚川方面へ

  • 妙高はねうまラインを走る413・455系

  • 高田駅では3番線ホームに入り、上り列車と待ち合わせ

試運転情報の公開にあたり、鳥塚社長はブログの中で、鉄道ファンらに向けた「3つのお約束」として、「ルールを守って皆さんで仲良く撮影してください」「地域の皆様方にご迷惑をおかけしないように注意し、コミュニケーションを取りましょう」「ご飯を食べたり、お土産を買ったりして、地域に貢献をしてください」と記していた。今回の試運転では、駅や沿線で鉄道ファンらの姿が見られたものの、2日間とも大きなトラブル等は発生せず、無事に試運転を終えた様子だった。

413・455系は今後、6月29日に株主らを招待しての試運転を日本海ひすいライン(糸魚川~直江津間)で行う予定。7月4日は妙高はねうまラインの直江津発妙高高原行の快速列車(8350M)から運行開始を予定している。

直江津駅の改札口付近のディスプレイでは、「日本海ひすいライン急行列車準備中!」と案内されていた。「現在、車両の点検、整備を行っています」「急行料金、運転日等については決定次第 ホームページにてお知らせいたします」とのこと。待合室の時刻表で急行列車の時刻等も確認でき、「急行1号」は直江津駅11時26分発・市振駅12時52分着、「急行2号」は市振駅13時10分発・直江津駅14時31分着、「急行3号」は直江津駅15時3分発・糸魚川駅15時51分着、「急行4号」は糸魚川駅16時40分発・直江津駅17時8分着とされている。急行列車は直江津駅、糸魚川駅、市振駅のみ停車し、途中駅は通過。「運転日注意(一部指定席)」とも書かれてあった。

  • 試運転では「クハ455-701」に「越後」のヘッドマークを掲出。直江津駅から日本海ひすいライン・妙高はねうまラインを往復した

  • えちごトキめき鉄道の「国鉄形急行電車」は、直江津方から「クモハ413-6」「モハ412-6」「クハ455-701」の3両編成