Spotifyは2月22日、特別イベント「Stream On」を配信し、ロスレス再生の音楽ストリーミングサービス「Spotify HiFi」を2021年後半に提供開始すると発表した。

Spotify HiFiは、CD相当の音質で楽しめるロスレスオーディオ形式の音楽をストリミーング提供する。SpotifyアプリとSpotify Connect対応スピーカーで楽しめる。現在Spotifyの音質は、Webプレイヤーの場合、無料で利用できるSpotify FreeがAAC(128kbps)、Spotify PremiumがAAC(256Kbps)。アプリやスマートスピーカーではSpotify Freeが最高160kbps、Premiumが同320kbpsとなっている。復元の際に情報が失われないロスレスオーディオは、それらよりも深みがあって明瞭なサウンドを届ける。「アーティストが意図した通りの音楽を楽しめます」としている。

Spotify HiFiは、今年後半に一部のサービス提供市場において、Premium契約ユーザーがアップグレードできるようになる。Spotifyのシームレスなユーザー体験にHiFiを組み込み、ユーザーが好みの方法で音楽を楽しめるようにする。その一環として、音質を重んじるユーザーが自身の環境でSpotify HiFiを楽しめるように、いくつかのスピーカー大手と協力した作業を進めているという。

オーディオ形式やアップグレードした場合の料金など詳細は現段階では不明だ。CD音質に相当する音楽ストリーミングはすでにいくつか登場しており、Amazonが提供する「Amazon Music HD」の場合、HD音楽が16-bitオーディオ/最小サンプルレート44.1kHz(平均ビットレート:850Kbps)。Ultra HDが24-bitオーディオ/サンプルレートは44.1〜192kHz(平均ビットレート:3730kbps)。料金は、12.99ドル/月(Prime会員)、14.99ドル/月(Prime以外のAmazon会員)。Tidalの「Tidal HiFi」のHiFi品質は16-bitオーディオ/サンプルレート44.1kHz(1411kbps)で、料金は19.99ドル/月だ。

Spotifyが「Stream On」でアップデートした情報によると、2020年にSpotifyは50億ドル以上を著作権者に支払った。毎月のストリーミングの90%に約57,000組のアーティストが含まれており、これは6年間で4倍の増加。作品カタログから年間10万ドル以上を得ているレコーディングアーティストは7,500組以上、過去4年間で79%増加した。