妊娠中や授乳中の女性を中心に、ここ数年で定着してきたカフェインレスコーヒー。「ディカフェで」と注文すれば、カフェインレスで提供してくれるカフェも増えています。

ツイッターでは今、カフェインレスコーヒーを買いに来たある男性の対応にあたった御菓子屋さん(@Mikashiya)の投稿が話題となっています。

  • ※画像はイメージです。

客「コーヒー豆ください。200gお願いします。カフェインは抜いといていただけますか?」
わたし「すみません、カフェインレスコーヒーではないのでカフェイン抜くことはできないです」
客「なんで?豆挽く時に抜けないの?」
わたし「申し訳ありませんが厳しいです…」
(@Mikashiyaより引用)

接客において、話が噛み合わない、なかなか納得してもらないというのは辛いですよね。御菓子屋さんによると、このお客様は40代くらいの男性だったそうです。この男性の言動に、「カフェイン抜けって何だ」「こんなこと言う人いるんだね」「エビフライ、エビ抜きでって言われてるようなもんですね笑」「無知って怖い……」と少々厳しい声が寄せられていました。

しかし一方で、「これクレームかなぁ? 」と首を傾げる人も。「これはクレームと言うよりただ知らなかっただけでいい人そう」「カフェインは添加してるもんだという認識なのかなぁ。そんな事考えた事もなかった。斬新な見方だ……」「わからないことって誰にもありますよね」という見方をする人も目立ちました。

こうしたさまざまな反応を受けて、御菓子屋さんは、当時のことについて補足ツイートをされています。

広まり始めたので言っておきたいのですが、わたしこれ怒ったり呆れたりしてるわけではないですし迷惑とかも思ってないです…!
カフェインを調味料、というかそういうものとして認識してる人もいるんだな~というだけで、わたしたまたま勉強してて知ってただけで普通はわかんなくて当たり前です…!(@Mikashiyaより引用)

なるほど。たしかに、自分では当たり前と思っていることが、相手にとっても当たり前とは限らないですよね。では、その後どうなったのでしょうか。

このお話、後の着地地点からの補足ですが
話を聞いたところカフェイン=保存料?のようなもので、店では生のコーヒー(おそらく豆のこと?)が売っていたので無添加的に考えておられました。
もともと珈琲豆にカフェインが含まれていること、コーヒーの淹れ方で量の調整が可能なことをお話しして、「あー!なるほどー!」と言っておられました。ノンカフェイン=期限の短い無添加のもの、とも思ってらっしゃいました。
わたしも視点が変わった見方でおもしろいなと思っていましたが、おそらくお店で豆を買う時は挽いたもの(加工済?)を購入されていたのかな…と推察しております。
(@Mikashiyaより引用)

御菓子屋さんいわく、この男性の方は、カフェインとは「保存のためにお店で後入れしているもの」だと思っていたようです。やはりクレームというよりは、思わぬ勘違いによってちょっとしたズレが生じた、といったところでしょうか。

当時の心境などについて、御菓子屋さんにお話をうかがいました。

―― この方はその後説明に対して納得されたということで、いわゆる“クレーマー”とはまた違った印象でしたか?

御菓子屋さん:当時私はまだ高校生で、初めてのバイトだったこともあり、歳上の男性に少なからず気持ちが萎縮してしまい、記憶の中で「怖かった」というイメージが誇張されて残っていたのかも、と今なら思います。

カフェインを「抜けるもの」として仰られたので、こちらとしては「抜けるのかな? 」と一瞬考えたのですが、お店の豆のカフェインはその場で抜けないので、そうお答えして、どうして抜けないのかも説明させていただきました。お客様もきちんとお話を聞いてくださいましたし、クレーマーというよりかは知識不足、勘違い、思い込みの類で少し拗れたという印象でした。

―― ほかのツイートでも過去に受けたことがあるクレームについて投稿されていましたが、理不尽なクレームを受けた時、心がけていることなどがあれば教えていただけますでしょうか。

御菓子屋さん:わたしがクレーム対応するにあたり当時心がけていたのは、クレームはお互いの認識に齟齬がある場合に発生する、ということから、「相手の視点に立って、何が問題になっているのかを考えること」です。自分にとっては当然のことだとしても、もしかすると相手にとっては当然ではなく、疑問が発生して納得できていない可能性がありますので。

その納得できない理由をこちらが知ることで、お客様の気持ちの納得、問題解決ができると思い接客していました。ただし私も接客をするにあたり、もう10年程の時間が過ぎていますので、私自身が若い知識について疎くなって、その結果、こちらの知識不足でお客様に不満を抱かせてしまう場合もあります。なので、常に勉強に努めて知識、知恵を増やすことを心がけ、なるべくトラブルの元を作らないようにしています。

―― 今回のツイートが話題になっていることについて、率直な感想を教えてください。

御菓子屋さん:このつぶやきを読んだ人に何か良いことがポコっと起きたら嬉しいなーと思っております。


また最後に、今回の投稿のきっかけとなった「#実際に言われたクレーム晒す」というタグについても、「これを読んで他の方が『あ、自分の行動はもしかして? 』とか気づいたり、『店員さんにとってこうしたら親切な行動になるのかも? 』と考える機会にもなると思います。この流行りにのって、自分の行動を振り返ったり、あるいは店員さんのちょっとしたサポートになれる振る舞いができるかもなぁ、と考えたりした次第です」と話していました。