Fedora開発チームは1月23日(米国時間)、「FEDORA-2021-48866282e5 — security update for chromium — Fedora Updates System」において、Webブラウザ「Chronium 88.0.4324.96-1.fc33」のリリースを発表した。このリリースには多くの脆弱性の修正が含まれているが、それに加えて同期機能およびGoogle APIを利用した拡張機能が無効にされているという。この変更は、GoogleがGoogle Chromeを除くChroniumビルドからGoogle API機能へのアクセスを遮断する方針を発表したことに基づくものとされている。

  • FEDORA-2021-48866282e5 — security update for chromium — Fedora Updates System

    FEDORA-2021-48866282e5 — security update for chromium — Fedora Updates System

Googleは2013年に、サードパーティのChroniumuビルドに対して、APIキーを介したGoogle APIへのアクセス権を公開した。これによってすべてのChromiumディストリビューションがChromeと同等の機能を提供できるようになった。しかし、Fedora Chromiumのリリースノートによると、Googleは最近、Chrome以外のChroniumビルドに対して、Chrome Syncを使った同期機能やその他のGoogle APIへのアクセスを遮断する方針を発表したという。この変更が適用されると、Chromeを除くChroniumベースのWebブラウザでは、ブックマークの同期や位置情報サービスなどといった多くの主要な機能が正常に動作しなくなる。

GoogleによるAPIアクセスの遮断は2021年3月15日以降に行われる予定とのことで、それまではChroniumは従来通りの機能を提供できる。しかしFedoraチームでは、今回リリースしたChronium 88.0.4324.96-1.fc33で先行してこれらの機能を無効にしたという。

もしこれまで通りの「完全なGoogleエクスペリエンス」が必要な場合には、オリジナルのChromeブラウザを使用することを勧めている。また、Googleの方針に影響されないオープンソースの代替手段としてFirefoxの存在にも言及している。