「元気があれば何でもできる!」なんて言葉がありますが、やる気さえあれば人はエベレスト山にでも登ってしまうもの。逆にやる気がなければ、自宅のトイレに行くことさえ億劫になってしまいます。

せっかく頑張ろうとした子供のやる気を簡単に削いでしまうシステムを表現した漫画がツイッターで話題になっています。描いたのは、漫画家・コハラモトシさん(@kohara_motoshi)です。

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一生懸命に早く終わらせた勉強。せっかくできた時間で好きなゲームをしたいと思っていたところで、「余った時間で勉強をしなさい」と言われてしまった子供。それ以来、15分でできる宿題を、わざわざゆっくりと30分かけてやるようになったんだとか……。

これ、もしかしたら多くの会社でも起きている事態なんじゃないでしょうか。コハラさんにお話を聞いてみたところ、「ぼくも過去に同じような事を経験しまして……」とこのシステムに思い至った経験をお話してくれました。

「少しの期間ですが、過去に会社に務めていた時がありました。そこは、人手を増やす余裕が無いのか、誰か一人でも欠けたら仕事全体が遅れるような環境でして……。一つの仕事を終わらせても、すぐに次の仕事が来るという状態で、深夜に帰宅するのが当たり前でした。

それほどの仕事をしたのだから、それ相応の待遇があればまだ納得できるのですが。そうではなく、2倍の仕事量をこなしたとしても働いている時間は同じなので給料も変わらずで。それなら『働く時間内で、負担のないようにセーブして仕事をしよう』という考えになった事は、一度や二度ではなかったですね。

そう言うと、『社会人として失格だ!』と怒られてしまいそうですが、『頑張っても報われない絶望感』を感じてしまい、ぼくにとってはやる気を無くすシステムでした」。

目標を達成すればするほど高い目標を課されてしまう。生産性が高ければ高いほどより多くの生産性を求められる……きっと多くのできる会社員のやる気を潰してきたシステムそのものに思われます。

結局、コハラさんは会社を辞めてしまったんだそうです。

「システムや構造上の問題でもあるので、簡単に解決できる問題ではないかもしれません。それでも、この漫画をキッカケに、少しでも良い方向に改善される事を願います。この『アニワル』は、人生の悩みや社会の不満に“喝”を入れる漫画。“生きやすくなれるような考え方”や“前向きになれるメッセージ”を届けていますので、同じように辛い思いをしている方が、少しでも前向きになっていただけたら嬉しいです」(コハラさん)。

この投稿に、「確かに、これは社会人にも当てはまることですね……」「モチロン、会社でもおきてます」「派遣で効率化して仕事してたらこうなったよ……派遣だと仕事せずに出勤率だけ良くして働いてるフリするやつが一番得する」と多くの社会人から共感の声が寄せられていました。