俳優の竜星涼と犬飼貴丈が、W主演を務める映画『ぐらんぶる』が8月7日より公開中だ。原作:井上堅二、漫画:吉岡公威による同名人気漫画の実写化作で、国内でも珍しい離島にある大学・伊豆大学に入学した普通の青年・伊織(竜星)と、オタクなイケメン・耕平(犬飼)が、ダイビングサークルで破天荒な青春を繰り広げる。

イケメン2人が「ほぼ裸」で登場する同作で、伊織のいとこであるヒロイン・千紗(20)を演じたのが、乃木坂46の与田祐希だ。初映画ながらW主演の2人に負けず劣らず弾けた様子を見せ、出演発表時にはマネージャーが謝罪文を寄せるなど、話題を呼んでいる。今回は与田にインタビューし、同作についての思いを聞いた。

  • 与田祐希

    与田祐希 撮影:宮田浩史

■マネージャー謝罪も「笑っちゃいました」

――マネージャーさんの、ファンへ向けての「きっと『こんな映画に与田ちゃんを出して大丈夫か?』と不安になっていることと思います」という謝罪コメントも話題となった『ぐらんぶる』ですが、完成作を観ていかがでしたか?

マネージャーさんは試写の時に隣で楽しそうに観ていたので、コメントを見て私も笑っちゃいました(笑)。撮影していたのは1年くらい前なので、懐かしいなという気持ちと、楽しい気持ちになりました。撮影の時は裸を見慣れすぎていたせいで違和感なく過ごしちゃってたんですけど、実際見ると画面がめっちゃ肌色だなとは思いました。

――でも、いやな感じの裸ではないのかな? とも思いました。

きれいですよね(笑)。すごく整っていました。この作品の宣伝でまた竜星涼さんにお会いして、「足、長いですね」という話をしました。本当に長いです。

――撮影で裸に見慣れていったということですが、最初はびっくりしたんですか?

そうですね、最初は刺激が強かったです。ちょっと、「どうしよう」みたいな感じもあって……でも、映画に入ると、伊織と耕平という役として見ているので、変な恥ずかしさは全くなく、大丈夫でした。”そういう人”という感じです。当たり前に、服を着ていないんだなと。

――衝撃的な場面も多いですが、予告などを見たメンバーからの反応はありましたか?

「観に行くね」とは言ってくれていたんですけど、メンバーに会えない時期に公開日が決まったので、あまり反応は聞けていないです。最初からインパクトが強かったんですけど、どんどんすごい情報が公開されていって。裸の2人の頭を踏んでる写真は結構見てくれていたみたいで、メンバーがどう感じるのかは気になります(笑)。

――頭を踏んでいる写真は反響が大きかったですよね。

衝撃的ですよね。自分で見てもびっくりしました。

――踏んでいる時の気持ちは…?

気持ちですか!?(笑) でも、その時は足が届くように必死でした。その気持ちが出てしまっているかもしれません。必死に踏みました。

――与田さんは他にも、白目でバットを振り回すようなシーンもありましたが、殻を破るような気持ちはあったんですか?

最初は「大丈夫かな?」とか、「痛いかな」とか考えてしまって、ノリノリという感じではなかったんですけど、だんだん千紗として暴れることができていったように思います。指導していただきましたし、竜星さんや犬飼さんにも「こうしたらいいよ」と色々教えていただきました。口から水を吹くシーンも、練習に付き合っていただきました。やったことがなかったので、口から霧吹き状に水を吹くのが難しくて、芝生に向かってたくさん練習しました。本番では濡れてしまって直しが大変だから、一発で成功させなければと、緊張しましたね。きれいに水を吹けたのは竜星さんのおかげです(笑)。

――竜星さん、犬飼さんからは色々アドバイスをもらっていたんですか?

私にとって初めてのことが多かったので、遠慮しそうになる時も、さらっと「思いっきりやっていいよ」と言ってくださって、すごく優しくて、ありがたかったです。お二人が引っ張ってくださったので、弾けてる空気にも飲まれていきました(笑)。他の出演者の皆さんも一人ひとり濃くて、本当に明るくて、和気あいあいとしていました。

――一方で、ダイビングシーンはとても綺麗でした。与田さんはもともとライセンスをお持ちだったんですよね。

番組の企画で(撮影の)2年前程に取得しました。短期間で頑張って取った上に、2年のブランクがあったので、体にもガタがきてて、最初は水の中でフラフラしてしまいました。体力がないので、戦いでしたね。結構体を張ったりプールに飛び込んだり、叫んだり殴ったり、体力的にすごい疲れることはあるけど、それよりも「楽しい」という思いが一番でした。

――今回の撮影自体が青春のようなところがあったんでしょうか?

乃木坂46に入ってから、夏といえばツアーの思い出だったんですが、また新たな思い出ができました。普通の学生の感じで海に入ったり、すごく新鮮でしたし、いい経験になりました。

――それでは、最後にファンの方へメッセージをいただけたら。

公開は延期になってしまったのですが、ちょうど夏の時期に映画館で観られることになったので、ぴったりだと思います。この映画を見て皆さんが笑顔になってくれたら嬉しいです。私自身も観た時は新鮮に笑ったし、少しでも世の中が明るくなればいいなと思いました。外に出て思いっきり夏を感じることが難しくもある世の中だと思うので、その分、映画を通して夏の気持ちになっていただければ嬉しいです。

■与田祐希
2000年、福岡県出身。アイドルグループ・乃木坂46のメンバーで、2017年に発売されたシングル「逃げ水」ではセンターに抜擢された。モデルとしても活躍し、『MAQUIA』『bis』のレギュラーモデルを務める。『モブサイコ100』(18年)で女優デビュー。続いて『ザンビ』(19年)、『乃木坂シネマズ~STORY of 46~/第7話 嗚呼! 素晴らしきチビ色の人生』(20年)に出演する。