一般社団法人日本損害保険協会はこのほど、「第21回自動車盗難事故実態調査結果」を発表した。同調査は、2000年度から自動車盗難防止対策の一環として、自動車本体盗難事故や車上ねらい事故の実態調査を実施しているもので、今回が21回目となる。

期間は2020年2月1日〜2月29日、損害保険会社18社(損保協会非会員会社を含む)を対象に、全国で発生した自動車本体盗難事故および車上ねらい(部品盗難含む)事故で調査期間内に車両保険金の支払いを行った事案(車両本体の盗難の調査総数は232件、車上ねらいの調査総数は224件)について調べた。

  • 「車名別盗難状況 - 車両本体盗難」--盗難の被害が特定の車種に集中する傾向が継続

車両本体盗難の車名別盗難状況は、ワースト3車種「ランドクルーザー」「プリウス」「レクサス」が昨年度と同じになるなど、車両本体盗難の被害が特定の車種に集中する傾向が続いている。ランドクルーザーは昨年度調査の35件から42件に増加。レクサスは、今回から車種別に調査を行ったところ、レクサスの中でもLXが25件と最も盗難被害が多い。レクサスは合計で56件となった。

車両本体盗難1件あたりの平均支払保険金は近年増加傾向にあり、今回は401.4万円(昨年度調査では361.4万円)となった。車両本体盗難に関する車名別盗難状況からも、比較的高額な車両が狙われることが多いと推測できる。

  • 「1件あたり支払保険金の推移(車両本体盗難)」--車両本体盗難1件あたりの平均支払保険金は近年増加傾向にあり、今回は401.4万円に

窃盗犯は深夜から朝にかけて薄暗い場所で窃盗に及ぶ傾向があり、車両本体盗難の発生時間帯は「深夜〜朝(22〜9時)」が70.3%を占めている。だが今回はその発生比率が減少し、日中の発生比率が増加。例年11月のデータを基に調査を行っているが、今回は日の入りが早い2月のデータを基に調査を行ったことから、日中時間帯でも薄暗い時間の犯行が増えたものと推察される。

  • 「盗難発生時間帯 - 車両本体盗難」--「深夜~朝(22~9時)」発生比率が減少し、日中の発生比率が増加

車両本体盗難の発生場所については、51.3%と過半数が「自宅(屋外)」で発生。「契約駐車場(屋外)」も含めると、車両本体盗難の74.1%が屋外で発生しており、屋外駐車場の車両が圧倒的に狙われやすい傾向がある。

  • 「盗難発生場所・割合推移」--グラフは、車両本体盗難の数値/屋内:屋根があり、かつ4方向が壁やシャッターで囲まれているもの/屋外:上記に該当しないもの