JR東海は2017年12月に発生した新幹線車両の台車枠き裂事象を踏まえて実施してきた、車両の異常早期発見に向けたさらなる取組みとして、東海道新幹線の台車の異常早期発見に向けた設備の導入が完了したと発表した。「台車温度検知装置」「温度推移監視システム」「台車の空気ばね圧力監視機能」が導入されたという。

  • 東海道・山陽新幹線「のぞみ」などに使用されるN700A

「台車温度検知装置」は通過する列車の台車の温度をモニタリングする装置で、東海道新幹線東京~新大阪間の3カ所(瀬戸川橋梁・木曽川橋梁・神崎川橋梁)で3月25日に増設が完了。従来から設置されていた2カ所(酒匂川橋梁・豊川橋梁)と合わせ、合計で5カ所とした。

「温度推移監視システム」は各地点で測定した台車の温度データをもとに、複数の地点間の台車の温度推移を監視することで、より早期に台車の異常を検出するシステム。3月25日に導入が完了した。

「台車の空気ばね圧力監視機能」は、車両を支えるために台車に取り付けられた空気ばねの圧力を自動的に分析し、異常を検知した際に運転台にアラームを表示する機能で、4月10日(予定)に全編成への導入が完了する。なお、空気ばね圧力を自動的に分析する機能は特許出願済みとのこと。