JR九州は25日、営業車両(近郊形電車811系)に国内初の要素技術を持つカメラシステムを搭載し、4月1日から導入すると発表した。カメラを搭載した車両は「RED EYE」(商標権取得申請中)と名づけられ、鉄道設備の検査業務の一部を効率化し、設備の品質向上や係員の安全性向上につなげるという。

  • 811系「RED EYE」は2編成を導入

導入する車両は811系2編成。営業車両の前方に搭載したカメラ等により、人による巡視の一部省力化と品質向上を図る列車巡視支援システムを搭載する。列車動揺の確認や支障物の有無など、線路の沿線環境の状態を自動判定することにより、設備点検頻度が上がり、品質向上につながると説明する。

営業車で撮影した映像に画像解析を適用した列車巡視業務効率化の実用化は国内初とのこと。列車巡視支援システムは、鉄道総合技術研究所が開発した線路周辺画像解析エンジンを活用し、NECグループ(日本電気・日本電気通信システム・NECソリューションイノベータ)が開発に協力している。

2編成のうち1編成には、国内初の車上4Kカメラ(屋根上搭載)により、検査業務の一部省力化と安全性向上を図る電車線路モニタリング装置も搭載。徒歩による地上からの目視検査に関して、走行時の動画データを係員が事務所で確認する検査に置き換えることで、電車線路設備検査業務の一部省力化を実現する。

電車線路設備はトロリー線やちょう架線など、電車に電気を供給する設備の総称。線路近接作業の頻度を減らすことで、検査係員の安全性向上につながる。電車線路モニタリング装置の開発に際し、日立製作所と日立ハイテクファインシステムズが協力した。