平成"最後"の仮面ライダー(ジオウ)と、令和"最初"の仮面ライダー(ゼロワン)の作品世界が融合する映画『仮面ライダー 令和ザ・ファースト・ジェネレーション』が、現在公開されている。タイムジャッカー・フィーニスの暗躍により『仮面ライダーゼロワン』の歴史が切り替わり、人間のために働くはずのヒューマギアが逆に人間を制圧する世界へと変貌した。普通の高校生として平和に過ごしていた『仮面ライダージオウ』の常磐ソウゴだが、歴史を正しい流れに修正するべく、ふたたび「変身」し戦うことに……。

  • 生駒里奈(いこま・りな)。1995年生まれ、秋田県出身。2011年よりアイドルグループ「乃木坂46」の第一期生となり、中心メンバーとして活躍する。2018年グループを卒業後も、テレビドラマ、映画、舞台、アニメ、CMなど幅広い分野で活躍を続ける。大のアニメ・漫画ファンとして知られ、バラエティ番組の出演も多い。撮影:大塚素久(SYASYA)

今回は、映画のキーパーソンのひとりというべきタイムジャッカー・フィーニスを演じる生駒里奈にご登場いただき、子どものころから大好きだった「仮面ライダー」シリーズに出演が決まったときの喜びから、特撮ヒーロー作品の舞台裏に触れたときの興奮と感動、そして自身が演じるフィーニスを観客に強烈に印象付けるための演技面での工夫を聞いた。

――生駒さんはアニメや特撮ヒーローがお好きだとうかがっていますが、『仮面ライダー』シリーズはご覧になっていましたか?

小さなころから大好きなんです。『仮面ライダークウガ』(2000年)から日曜の朝はテレビの前で仮面ライダーやスーパー戦隊を観ていましたし、今でも『仮面ライダーゼロワン』を楽しんでいます。オンエアが観られないときはTTFC(東映特撮ファンクラブ)で見逃し配信をチェックしています。

――特にお好きな仮面ライダーはどれですか?

『仮面ライダーW(ダブル)』(2009年)ですね! 左右に分かれたカラーリングとか、シンプルなフォルムがとてもカッコいいんです。左翔太郎とフィリップが2人で変身するってところも好きで、「俺たちは2人でひとりの仮面ライダーさ」ってセリフを聞くだけで「ウフッ」って声が出てしまいます(笑)。あと『仮面ライダービルド』(2017年)もWに似ていて、好きです。2つの色が入っているところが、私の好きな仮面ライダーの"ツボ"なのかもしれませんね。

――となりますと、今回の仮面ライダー冬映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』への出演オファーのお話を聞かれたときは、かなりうれしかったのではないですか。

ものすごくうれしかったです! あの「仮面ライダーの世界」に自分が入ることができるのか……と思うと興奮を隠しきれませんでしたね。私としては、仮面ライダーシリーズへの出演は"念願"のひとつでした。同じ出身地の先輩が2人も仮面ライダーになっているんですから。

――それは、どなたとどなたですか?

加藤夏希さんと渡部秀さんです。加藤さんは映画『仮面ライダー龍騎EPISODE FINAL』(2002年)で仮面ライダーファムに変身されていますし、渡部さんは『仮面ライダーオーズ/〇〇〇』(2010年)の主役・火野映司でしたよね。お2人は、私と同じく秋田県由利本荘市出身なので、私も「本庄から3人目の『仮面ライダー』出演者になりたい!」と思っていました。

――加藤さん、渡部さん、生駒さんにそんな共通点があったとは、と驚きました。

まだ『オーズ』が始まる前、ジュノンボーイになったばかりの渡部さんを、地元の花火大会でお見かけしたことがあったんです。その後、テレビで『オーズ』の主役を渡部さんが務めているのを観て、同じ県、同じ市の出身としてすごく刺激を受けました。「うわあ、本庄の人が仮面ライダーやってる! すごい!」って(笑)。『オーズ』もお話がとても面白く、毎週楽しみに観ていました。

――上京されてから、お仕事で「仮面ライダー」シリーズのキャストさんに出会ったことなんてありましたか?

2019年3月の舞台『PHANTOM WORDS』で、『仮面ライダーW』の霧彦さん(ナスカドーパント)を演じた君沢ユウキさんとご一緒したことがあるんです。でも君沢さんと初めてお会いしたとき、とても明るく気さくに話されていたのもあって、しばらくの間気づかなかったんですよ。だんだん「あれ? どこか(テレビ)で見たような……」と思い出して、あっ、霧彦さんだ! ってわかって……。「霧彦さんですよね!?」と声をかけたら「そうだよ」って言われて「わぁ~っ!! すごいすごい!」と興奮してしまいました(笑)。霧彦さんって最初はワルっぽい印象がありましたけど、最期のエピソードでは"いい人"として退場していくじゃないですか。とても好きなキャラクターでしたから、君沢さんとお会いできたのはすごくうれしかったことですね。

――子どものときにテレビで観ていた人たちと、こんどは同じ芸能人としてお会いするというのは、とてもテンションが上がりそうな状況ですね。

舞台『モマの火星探検記』(2017年)や『トゥーランドット~廃墟に眠る少年の夢~』に出演させていただいたとき、作・演出を手がけられた毛利亘宏さんとお会いして「『オーズ』の脚本を書かれた毛利さんだ!」ととてもうれしかったです(笑)。私と「仮面ライダー」がこうやってつながるのか、という驚きと興奮がありました。