JR東海は東海道新幹線新大阪駅26番線ホームで実施していた大開口可動柵の設置工事が完了し、12月5日の始発列車から使用開始した。乗降扉位置の異なる16両編成および8両編成の双方に対応した大開口可動柵は東海道新幹線において初だという。

  • 新大阪駅26番線ホームの大開口可動柵

東海道新幹線ではホーム上のさらなる安全性向上を目的に、利用者の多い「のぞみ」停車駅を対象に可動柵の設置を進めている。新大阪駅の20~26番線ホームについては、16両編成の列車のほかに山陽・九州新幹線で運行する8両編成の列車が発着するため、異なる乗降扉位置に対応した可動柵の設置が必要とされていた。

この課題を解決するため、2016~2017年度の約2年で開口部の広い可動柵の技術開発を行い、2018年度から設置工事を進めてきた。可動柵扉部の材質をアルミ材から炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に変更し、扉部強度を確保しつつ、最大限の軽量化を図ったことで、片持ち構造(車輪なし)としては国内最長の扉長さ約5mという長大化を実現している。

  • 新大阪駅26番線可動柵(開口時)

  • 新大阪駅26番線可動柵(閉扉時)

東海道新幹線新大阪駅では2022年度までに、残る20~25番線ホームへの可動柵設置完了に向けて工事を進めていく。