小惑星「りゅうぐう」に着陸し、岩石などの貴重な試料の採取に成功したと期待されている探査機「はやぶさ2」が13日午前、りゅうぐうを出発し、地球に向かった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が明らかにした。地球まで約8億キロ飛行し、帰還は来年12月ごろの予定。

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    小惑星「りゅうぐう」上空の「はやぶさ2」の想像図(JAXA/池下章裕氏提供)

JAXAによると、はやぶさ2は13日午前10時すぎ、りゅうぐう上空の待機地点からゆっくり高度を上げた。しばらくは遠ざかりながらもりゅうぐうの撮影を続ける。12月初めに地球に帰還するための主力のイオンエンジンの試験を行った後、加速して本格的に帰還の旅を開始するという。

はやぶさ2は2014年の12月に打ち上げられ、昨年6月にりゅうぐう付近に到着。2度着陸して岩石試料の採取に挑戦した。4月には金属弾を撃ち込み、小惑星表面で世界初の人工クレーターづくりにも成功。10月初めには小型ロボット「ミネルバ2」をりゅうぐう上空から投下するなど、ほぼ計画通りの探査を続けた。

はやぶさ2が無事地球に帰還し、JAXAの研究者らが採取資料を手にするまでにはまだいくつかの難関があるが、試料は約46億年前に誕生した太陽系の起源に迫るための研究材料として極めて貴重と、JAXAの研究者ばかりでなく、世界の研究者が地球到着を待ち望んでいる。りゅうぐうの表面は太陽風などによって風化しているが、採取できたとみられる地下の物質はりゅうぐうができたころの状態を保っていると考えられるためだ。

計画によると、はやぶさ2は地球に帰還した際に試料の入ったカプセルをオーストラリア付近に投下。この後は大気圏で燃え尽きた先代の「はやぶさ」と違い、別の小惑星への探査に向かうという。

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