京成電鉄は10日、成田スカイアクセス線用の新型車両3100形の報道公開を実施し、10月26日に営業運転を開始する予定と発表した。今年度は8両編成を2編成、計16両を導入。2020年度以降も継続して導入予定としている。

  • 京成電鉄が新型車両3100形を報道公開(写真:マイナビニュース)

    京成電鉄が新型車両3100形を報道公開。10月26日から営業運転開始予定と発表した

この新型車両は、京成グループ標準車両として京成電鉄と新京成電鉄が共同で設計。京成電鉄の新型車両3100形に続き、新京成電鉄も今冬、新型車両80000形(6両編成×1編成)の導入を予定している。両形式とも「受け継ぐ伝統と新たな価値の創造」をコンセプトに、質実さや実用本位といった基本思想は大切にしつつ、安全性・快適性向上につながる車内設備や最新の技術を導入しているという。

京成電鉄が導入する3100形では、成田スカイアクセス線の案内カラーであるオレンジを取り入れた外観デザインとし、成田空港方面の別ルートである京成本線との誤乗車防止を図る。デザイン上のアクセントとして、空港アクセスのシンボルである飛行機をはじめ、「浅草雷門とスカイツリー」「千葉県側からの富士山遠景」「成田山新勝寺」といった沿線各所のイメージイラストが車体に描かれた。車外の表示器はホームからの視認性向上のため、種別・行先表示を大型化した。

  • 成田スカイアクセス線の案内カラーであるオレンジを取り入れた外観デザインに

  • デザインのアクセントとして「千葉県側からの富士山遠景」「浅草雷門とスカイツリー」「成田山新勝寺」を車体に描いた

車内はロングシートの座席配置とし、通常より背もたれの高いハイバック仕様の座席で座り心地を改善させている。あわせて1両4カ所(先頭車は3カ所)の座席を折畳み式とし、スーツケース置場として使用できるように工夫した。車内に開放感を持たせるため、座席端部の袖仕切りにガラスを採用。バリアフリー整備ガイドライン(望ましい整備内容)への対応として、中間車に車いす・ベビーカー利用者向けのフリースペースを設けた。先頭車には従来と同等の車いすスペースを設置する。

乗降扉の上部には17インチLCD(液晶)車内案内表示器を2画面ずつ設置。停車駅・乗換案内に加え、広告の放映なども行い、より多くの情報を提供する。車内では誰でも簡単に利用可能な無料Wi-Fiサービス「KEISEI FREE Wi-Fi」を提供。車内セキュリティ向上を目的とした防犯カメラは1両3台設置した。空気の浄化効果のあるプラズマクラスターイオン発生装置の導入、空調制御ソフトの見直しなど、車内環境の改善も図った。

  • 車内の座席(一般席)は車体と同様、オレンジを基調にデザイン。車いす・ベビーカー利用者向けのフリースペースに腰当も

  • 8人掛け座席の中央2席が折畳み式。大形のスーツケースを3個程度置けるスペースとなる

モーターへの電流を制御する装置に最新の半導体を使用したSiC-VVVF制御装置を搭載し、現行の3000形に搭載したIGBT-VVVF制御装置と比べて消費電力を約15%削減。その他の機器にも最新技術を導入する。

京成電鉄の通勤車両としては15年ぶりの新形式とされる3100形。同社初となるデザイン・設備等を採用することにより、より便利で快適な移動空間を提供するとしている。なお、おもにアクセス特急で運用される既存の3000形7次車(3050形)についても、10月26日のダイヤ改正後、オレンジを基調としたデザインに順次変更するとのこと。

  • 新型車両3100形の車内・外観