JR東海はこのほど、線路内で保守点検作業時を行う作業員に列車の接近を知らせる列車見張員をサポートする「列車見張員支援システム」を改良したと発表した。最新の列車位置が確実に把握できるようになるという。

  • 名古屋駅に設置する「列車進路地上表示装置」LED点灯イメージ

在来線の保守点検作業は昼夜を通して多くの列車が行き来する中で行われるため、作業時に見張員を配置し、現場に列車が接近した際に作業員を線路外に待避させることで安全を確保している。

「列車見張員支援システム」は従来から使用されていたが、列車位置については駅構内か駅間かの2通りしか把握できなかったという。改良後は位置表示を細分化し、作業位置と列車の位置関係を確実に把握することが可能に。従来はダイヤ変更が生じた際、見張員が紙のダイヤを確認して手書きで修正していたが、今後は見張員が携帯する端末に最新の列車ダイヤが自動的に表示されるようになる。

見張員が作業員に待避指示を伝える際に使用する子機も新たに導入。これまでは声を発して指示を伝えていたため、作業時の騒音などで聞こえにくい場合があったが、今後は声かけと同時に作業員のヘルメットに装着した子機が自動的に鳴動し、すべての作業員に確実に待避指示を伝達できるようになるという。

その他、名古屋駅にて「列車進路地上表示装置」が新設される。常時点灯するLEDを線路内に設置し、列車が接近してきた際にその列車が進む方向のLEDを点滅させ、列車の接近と進路を見張員に知らせる。名古屋駅の「列車進路地上表示装置」は2020年4月末から、改良後の「列車見張員支援システム」は2021年6月末からそれぞれ運用開始する予定となっている。