国立科学博物館は9月3日、令和元年度の未来技術遺産(重要科学技術史資料)を発表した。

未来技術遺産は、国立科学博物館が2008年度から実施している登録制度。科学技術の発達において重要な成果・意義を持つものや、国民生活などに大きな影響を与えた資料の保存と活用を図ることを目的とする。

令和元年度(第12回)では、カメラ製品として、精機光学研究所(現キヤノン)のカメラ第一号機「ハンザ・キヤノン」(1935年)、日本光学(現ニコン)初のレンズ交換式一眼レフカメラ「ニコンF」(1959年)、旭光学工業(現リコーイメージング)による国産初の35mm一眼レフカメラ「アサヒフレックスⅠ型」(1952年)などが登録。

  • ニコンF。選定理由は、「機能、品質面及びシステム性により、国産カメラの評価を世界的に高めた一眼レフカメラ」であり、「日本のカメラ産業を世界一に導く契機となった機種として重要」とされるため

また、オーディオ関連ではソニーの世界初ポータブルCDプレーヤー「D-50」(1984年)やコンパクトディスクプレーヤー「CDP-101」(1982年)、時計関連ではセイコーの液晶デジタルクオーツ腕時計「セイコークオーツ LC V.F.A. 06LC」(1973年)、シチズン時計の太陽電池アナログクオーツ腕時計「シチズン クオーツクリストロン ソーラーセル Cal.8629-7J」(1976年)、カシオ計算機の耐衝撃デジタルクオーツ腕時計「カシオ ヘビーデューティースポーツ DW-5000C」(1983年)などが登録された。

今回、新しく26製品が登録されたことで、未来技術遺産の登録製品は計285件となった。

  • ソニーのD-50。世界初のポータブルCDプレイヤーで、1984年年に5万円を切る価格で販売された。今回「デザイン、価格など商品としてのインパクトは非常に大きく、CDの普及を一気に加速させる引き金となった機種として重要」として登録に至った