自宅から一歩出ると溶けるような暑さが続いていますが、みなさまご無事でしょうか。ライターのスナイパー小林です。今回はその暑さを少しでも、ごまかすことのできそうな"瞳の涼"になる話題を提供しましょう。それは、ここのところ趣味と実益を兼ねております、イケメンの話題について。

ドラマ評を多く書いていると

「……あれ。この子、すごいな……」

と、心奪われる瞬間があるのです。それはデビュー年、年齢、出演作それから政治的な事情も飛び越えて、ドキドキする瞬間。青田買いも楽しいけれど、そのタレントさんが熟す時はそれぞれ違います。今回はここ最近で気になった人たちを何人か紹介します。たぶん、来年たいへんなことになるよ、この子たち。

新・イケてる演技のキーワードは"唐突さ"

  • 大貫勇輔

まずは現在放送中のドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)から。今ドラマは、キャスティング勝ちの面白さがあると見込んでいるのですが、中でも度肝を抜いてきたのが、円城寺輝を演じている大貫勇輔さん。名前を聞いただけでは「はて?」かもしれませんが、三雲華(深田恭子)の幼なじみ役で、彼女の気をひくために、毎度踊って歌って登場する……そうあの人です。大物女優を相手にひるむことなく、大真面目かつ、軽やかにダンスする度胸がすごいな、と思ったんですけど、彼は世界中で活躍するプロダンサー。あれだけ唐突に演技をしてきてもまったく違和感を感じさせないのは、本物の証拠。

予想ですけど彼、天然の雰囲気がプンプンするんですよね。年末あたりから、バラエティー番組で笑わせてくれないかと期待しています。

それから「何をまあ、あなた今さら!」と総ツッコミを受けそうですけど、俳優の金子大地さんは、来年大ブレイク当確かと。今、なんで彼の名前を出すかと言えば、ここ最近でめちゃくちゃハマったドラマが今年放送された『腐女子、うっかりゲイに告る』(NHK総合)だったのです。10代で自分の性癖に気づいてしまって、どうにもならない葛藤を演じていたのが金子さん。長い前髪の間からのぞく、強い目が良かった。物語中、飛び降り自殺を計るとか、突然ベッドシーンがあるとか、扱っている題材の影響で何かと唐突な演出が多かったんです。でもそれをすべて吸収して、表現する彼の強さは、ほんまモンだと思いましたね。今からダルマの目を塗る準備をしておきます。

  • 金子大地

同じ作品に出演していた小越勇輝さんも、主人公を支える優しげな演技が気になりました。彼が可愛らしいビジュアルであることは承知で言いますが、ちょっと柳沢慎吾感があって、安心させてくれたことを思い出します。でも調べたら彼は『テニスの王子様』など、舞台で活躍する俳優さん。ミュージカルこそ、とんでもない唐突さを求められていると思うので、その培った技術をもっと地上波で観たいな、と希望。

"れん"という名前が何かとやらかしてくれる予感

続いては、ドラマに登場するやいなや、華やかさを見せつけてくれた俳優の須藤蓮さん。令和世代の金八っぷりを匂わせてくれた学園ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)に出演、後ろの方に座っていた男子生徒役でした。高身長で目立っていたんですよね。その後、朝ドラ『なつぞら』(NHK総合)に、ゲスト出演。自分に酔いまくった腐った男の役だったのですが、ここでも存在感を発揮。ただつけ髭がトゥーマッチだったことだけが心残り。でも彼、普段のビジュアルはすごーく涼しげなイメージなのです。この残暑に持ち歩きたい、ミント風の清涼感を撒き散らしているので、女性はググってほしい逸材です。

そしてラストは2020年にCDデビューが決定したSnow Manの目黒蓮さん。現在放送中の深夜ドラマ『簡単なお仕事です。に応募してみた』(日本テレビ系)に出演中です。今、世には空前絶後のジャニーズJr.旋風が吹き荒れています。もうグループとメンバーが多すぎて、ついていけない状態なのですが、その中でも気になったのが目黒さん。何の番組だったのかも暑さのせいで忘れてしまったんですが、出演していたバラエティ番組でやたら艶っぽかったんですよね。憶測ですけど

「この人、年上の彼女がいそう……」

と思わせる、沼の深そうな魅力あり。ただ番組放送中に立っているだけなのに、放出される色気。けして今どきの顔立ちではないけれど、そこも魅力のひとつなのかな、と。調べたら、目黒さんは『宇宙Six』と言うグループと掛け持ちなんですね。大変だとは思いますけど、体力の逆算をしないで死ぬほど働けるのは今のうちなので、お姉さんからエールだけを送っておきます。

ところでふと思ったのが、最近のイケメンは "れん"と言う名前が流行なのでしょうか。有名なところではキンプリの永瀬廉さん。前出の須藤蓮さんとは『俺スカ』で隣の席に座っていましたよね。それから俳優の桐山漣さん。芸能界が"れん"祭りなのか、それとも流行ネームなのかは分かりませんが、とりあえず字面からしてかっこいいのは確か。イケメンとは名前から育つものかもしれないと悟った夏です。

スナイパー小林

ライター。取材モノから脚本まで書くことなら何でも好きで、ついでに編集者。出版社2社(ぶんか社、講談社『TOKYO★1週間』)を経て現在はフリーランス。"ドラマヲタ"が高じてエンタメコラムを各所で更新しながら年間10冊くらい単行本も制作。静岡県浜松市出身。正々堂々の独身。