パナソニックがビデオレコーダー「DIGA(ディーガ)」の新製品を発表しました。新4K衛星放送に対応するチューナーをダブルで載せて、コンテンツサーバー機能「おうちクラウド」も充実させた「DMR-4W400」など、“おうちクラウドディーガ”の新製品(3機種)を7月19日に発売します。

ラインナップは下記の通りです。どのモデルも販売価格はオープンですが、推定市場価格(税別)も合わせてお伝えします。

  • DMR-4W400(4Kチューナー2基・4TB HDD内蔵):14万円前後
  • DMR-4W200(4Kチューナー2基・2TB HDD内蔵):11万円前後
  • DMR-4S100(4Kチューナー1基・1TB HDD内蔵):9万円前後
  • DMR-4W400
  • DMR-4W400

    4Kチューナー×2基と4TB HDDを搭載する「DMR-4W400」

3モデルとも4Kチューナー以外に、2K放送に対応するチューナーを内蔵。合計3基のトリプルチューナー仕様になります。本体のデザインや外形寸法はほぼ同じ。Ultra HD Blu-rayディスクの再生にも対応します。

4W400と4W200は業界初の4Kダブルチューナー搭載レコーダーです。新4K放送を「見る」「録る」「残す(BDディスクにダビング)」ことを1台で楽しめます。4K放送の録画は2番組同時対応。1つのチューナーを放送のリアルタイム視聴に使い、空いているもう片方のチューナーで裏番組録画もできます。または、2K放送のトリプル録画や、「(4K×2番組)+(2K×1番組)」の同時録画に対応します。

4S100は4Kチューナーを1基としながら、こちらも3番組の同時録画を楽しめる仕様です。

  • DMR-4W200
  • DMR-4W200

    4Kチューナー×2基と2TB HDDを搭載する「DMR-4W200」

4K放送の録画については、業界初の「長時間録画モード」を搭載しました。放送画質での録画になるDRモードで録り続けていると、内蔵HDDはすぐに容量が足りなくなるものです。この4K放送録画ならではの課題に着目したパナソニックは、4K8K放送の圧縮フォーマットであるH.265/HEVCはそのままに、圧縮効率を高めて2倍または4倍までの長時間録画ができるモードを追加しました。

2TBの内蔵HDDに録画すると、4K DRモード(非圧縮)では約130時間の番組を保存できますが、4K 4倍モードなら最大約520時間まで拡大します。

録画した4K放送をBlu-rayディスクに保存する場合も、長時間録画は有効です。50GBのBlu-rayディスクに保存できるコンテンツの目安は、4K DRモードだと約3時間の映画1本であるのに対して、4K 4倍モードなら映画4本分をダビングして保存できる計算です。

  • DMR-4S100
  • DMR-4S100

    4Kチューナー×1基を搭載する1TB HDD内蔵の「DMR-4S100」

DMR-4W400を使って新4K放送を録画した、4K DRモードと4K 4倍モードの映像を見比べてみました。圧縮記録したときに見られる独特のノイズ(ちらつき感)、輪郭部の破綻、平坦部に浮き上がるような映像ムラを、4倍長時間録画モードでも上手く抑えきっていました。動きの激しいスポーツ番組をキレイに残したい場合は、4K 2倍か4K DRで録画しておけば安心だと思います。

ただし、新4K放送はすでに圧縮効率の高いH.265/HEVC方式で整えられたデータが送られてくるため、もはや4倍以上に圧縮効率を高めた一層の長時間録画は難しいと考えられているようです。これからしばらくの間は、今回の新DIGAが搭載した「4K 4倍の長時間録画」を超える高圧縮技術が出てくることはないと思われます。

  • DMR-4W400・4W200

    DMR-4W400・4W200は、映像と音声専用のHDMI出力を持っています

さて、4K放送に対応するビデオレコーダーとはいえ、通常のフルHD画質の放送を録画・視聴する機会も多いでしょう。DIGA独自のアップコンバート技術により、フルHD画質の放送を4Kテレビで高精細に映すことができます。

今回発表された3つの新DIGAも、パナソニック独自の無料モバイルアプリ「どこでもディーガ」を使って、iPhoneやiPad、またはAndroid OSを搭載するスマホやタブレットで、録画した番組を遠隔視聴できます。このアプリでは、遠隔地からの録画予約、見終わった番組の削除や録画モード変更なども可能です。スマホアプリの新機能とDIGA本体のファームウェア更新は、2019年9月ごろにリリースを予定しています。

DIGAで録画した4K放送は、QVGAサイズ(320×240ドット)の動画ファイルに変換した後に、スマホやタブレットに持ち出して外出先で視聴できます。また、アプリで4K放送番組の番組表を開き、録画予約や録画番組の確認もできるようになります。

さらに、デジタルカメラで撮影した写真や動画を、USBメモリーを介してDIGAの内蔵HDDに保存したり、スマホのカメラで撮影した写真や動画をアプリ経由でDIGAの内蔵HDDに保存する「おうちクラウド」の機能も便利に使えます。

DIGA本体のドライブにBlu-rayディスクを入れておくと、DIGAの内蔵HDDに保存した新着の写真や動画ファイルを、自動でBlu-rayディスクにバックアップ保存してくれる機能が新しく搭載されています。

  • 4Kチューナー内蔵DIGAのリモコン。新4K衛星放送に切り替えられるボタンを配置しています

スマホで撮影した写真・動画に対しては、「どこでもディーガ」アプリからメッセージを添付して、家族や友人に共有できる機能が追加されました(メッセージやSNSアプリを使います)。離れて暮らす家族のDIGAに、自分の家のDIGAからファイルを送ることもできます。

DIGAの内蔵HDDに保存した写真は、従来モデルではDIGA本体の編集機能でアルバムにまとめていましたが、「どこでもディーガ」アプリを使って手早く写真ファイルを管理する「アルバム機能」も追加されています。

DIGAの内蔵HDDに音楽CDの楽曲を取り込んで、「どこでもディーガ」アプリを使ってスマホで聴く機能もあります。スマホに取り込んで持ち出し再生も可能です。たとえば、光学ドライブが内蔵されていないノートPCを使っている人など、重宝しそうな機能です。

新しいDIGAは、新4K放送はただ見るだけでなく、録画してゆっくり見たいというユーザーだけでなく、レコーダーをホームサーバーのように多彩な用途で使いたいというユーザーにもぴったり。レコーダーの強力な選択肢がまた増えました。