JR北海道は15日、北海道新幹線新函館北斗~札幌間を320km/hで走行可能とするための工事を同社の負担で実施することについて、国土交通省に要請したと発表した。今後は建設主体である鉄道・運輸機構と320km/h化の実施に向けた調整を行う。

  • 北海道新幹線H5系

北海道新幹線新函館北斗~札幌間(約212km)は、国土交通大臣から建設主体として指名を受けた鉄道・運輸機構が現在、建設を進めている整備新幹線3路線のひとつ。2030年度末の完成をめざし、整備が行われている。

現計画において、同区間の最高速度は260km/hとされていたが、今回の要請内容によれば、320km/hでの走行を可能とするため、現計画の工事費との差額をJR北海道が負担するという。追加の工事内容として、約30カ所のトンネル坑口に設置される緩衝工を延長するほか、トンネル区間以外の約42kmのうち、約30kmにおいて防音壁のかさ上げが必要となり、これにともない高架橋の強度も上げる必要があると説明している。

JR北海道では、新函館北斗~札幌間の320km/h化による時間短縮効果を5分程度、工事費を約120億円と見込んでいる。なお、工事費については「詳細設計等、今後の実施段階において精査されていくことになります」とのこと。