現在、テレビ朝日系で好評放送中の特撮テレビドラマ『仮面ライダージオウ』のスピンオフドラマとして、映像配信サービス「ビデオパス」にて3月31日より配信開始される『仮面ライダージオウ スピンオフ RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』は、そのタイトルが示すとおり、2002年に放送された平成仮面ライダーシリーズ第3作『仮面ライダー龍騎』のキャラクターと作品世界を現代によみがえらせた"アナザーストーリー"というべき作品である。

弓削智久(ゆげ・ともひさ)。1980年、東京都出身。高校時代にモデルとして活躍し、1999年に俳優デビュー。2002年『仮面ライダー龍騎』の由良吾郎役で人気を博した後、『仮面ライダーカブト』(2006年)、『仮面ライダー鎧武』(2013年)といった「平成仮面ライダーシリーズ」にレギュラー出演する。多くのテレビドラマ、映画、舞台、CMへ出演する一方で、脚本家、DJとして多種多様な才能を発揮している。撮影:大塚素久(SYASYA)

『仮面ライダー龍騎』とは、鏡の中の世界「ミラーワールド」にうごめくモンスターと契約した複数の「仮面ライダー」たちが、最後の1人になるまで戦いを繰り広げるという、異色のヒーロードラマである。偶然、カードデッキを拾ったことがきっかけで仮面ライダー龍騎となった城戸真司(演:須賀貴匡)は、自分のほかにもミラーワールドで仮面ライダーとして戦う者が多く存在することに驚愕する。真司以外の仮面ライダーはみなそれぞれの"信念"や異なる"正義"を備えており、どうしても叶えたい"願い"を持っている。願いを叶えるためには、仮面ライダー同士の戦いに勝ち残るしかないのだ。

ミラーワールドでの仮面ライダー同士の戦いは一度限りではなく、これまでにもいくつかの異なる"結末"が確認されている。鏡の中から仮面ライダーたちに語りかける謎の人物「神崎士郎(演:菊地謙三郎)」の意志によって、ライダー同士の戦いは時間と空間を超えて永遠に繰り返されるのかもしれない。今回のスピンオフドラマ『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』では、過去に仮面ライダーとして激しい戦いを続けた者たちがふたたび凄絶な争いに身を投じることになる。

今回は、テレビシリーズでも渋味のある存在感を発揮してファンから絶大な支持を得た"吾郎ちゃん"こと由良吾郎役・弓削智久が登場。『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』にかける意気込みや、『龍騎』ワールドの魅力についての興味深いお話をうかがった。

――さきほど、今回のレギュラーキャストのみなさんが集まられていましたが、とても楽しそうな笑い声が聞こえてきて、再会を心から喜ばれているのがうかがえました。

今から2年ほど前だったか、いちど『仮面ライダー龍騎』のキャストやスタッフたちが集まって食事会をやったことがありましたけれど、この6人がそろったのはほんとうに久しぶり。放送当時以来の組み合わせなんじゃないですかね。

――弓削さんとしては『龍騎』の後に『仮面ライダーカブト』(2006年)の三島正人役、『仮面ライダー鎧武』(2013年)の阪東清治郎役と、その後の平成仮面ライダーシリーズに2度もレギュラー出演されていて、「仮面ライダー」の現場はスムーズに入ることができたのではないでしょうか。

3作品のレギュラーに加えて『仮面ライダーアマゾンズ』(2016年)にも出演(下霜草司役/第7、8話)していますからね。でも、ほとんど「変身」しないキャラクターばかりですから(笑)。

――ファンのイメージからすれば、スーパー弁護士・北岡秀一(演:小田井涼平)と有能な秘書・吾郎のコンビが強烈だっただけに、今回の北岡不在は寂しく感じられますね。

僕も寂しかったですね。こうやって吾郎単独として出演すると、ますます北岡先生と一緒に画面に入りたかったという思いが強くなりました。きっと涼平くんも、この場にいたかったでしょう。そんなことを考えているだけで思いが乗っかってきて、思わず泣けてきます。

――もしかして、『龍騎』のテレビシリーズで描かれた物語から10数年を経た時間軸であるがゆえに、北岡の生命が尽きてしまって吾郎ひとりになったのではないかなど、いろいろと想像ができますが……。

そのあたりは、ご覧になる方たちの中で想像してもらえたらいいのではないかと思います。今回、北岡先生がいない中でも、僕たちの言葉として先生の名前が必ず出てきます。この場にいないからこそ、吾郎にとっても北岡先生の存在が大きなものだったと実感させるんです。