ピクセラは3月22日、新4K衛星放送を受信できるチューナーを内蔵した4Kテレビを2モデル発表しました。同社が普及価格帯と位置付ける40V型「PIX-40VM100」と、50V型「PIX-50VM100」で、3月22日からピクセラ直販サイトで予約受付を開始します。発売は4月1日。価格はPIX-40VM100が税込69,800円、PIX-50VM100が税込79,800円です。ピクセラ直販サイトでは3月31日の23時59分までキャペーンとして、PIX-40VM100を税込47,800円、PIX-50VM100を税込57,800円で提供。いずれも100台限定で、なくなり次第終了となります。

  • 40V型の「PIX-40VM100」は、4Kテレビ市場で一番小さいサイズ(ピクセラ調べ、2019年3月現在)です

低価格でも多機能

2モデルとも、2018年12月から正式に放送が始まった新4K衛星放送に対応するだけでなく、Andorid TV OSを採用。Androidの豊富なテレビ向けアプリケーションをインストールできます。YouTubeやU-NEXTなどの4K対応コンテンツも楽しめます。Chromecast機能も備え、手持ちのスマートフォンの画面をテレビ側で再生可能。リモコンに内蔵したマイクを通じて、Googleアシスタントの音声コマンド操作にも対応しました。

発売時のOSはAndroid OS 8 Oreoをベースにしたものですが、ピクセラによると「今後は可能な限り3カ月ごとにOSアップデートを実施し、Android OS 9 Pieにも対応させていく」とのこと。SoCメーカーが開発キットをリリースしたあとの対応となるので、リリース時期は未定です。

  • 50V型の「PIX-50VM100」。Google HOME miniとAmazon Echo Dotが置いてありますが、これらのスマートスピーカーとの連携も可能

  • 付属のリモコンはシンプル設計ですが、Googleアシスタントの音声入力に対応しています

  • PIX-40VM100の背面。有線LAN端子を備えていますが、無線LANもサポートします

  • 右側はHDMI端子×2系統(うち1つはARC対応)、USB端子×1(録画用HDD接続を想定)、ヘッドフォン端子、光デジタル端子

  • Android TVの共用ストレージが10GBありますが、主にアプリ用でしょう。録画用HDDは1台まで取り付けられます

  • アプリ画面。YouTubeなどのアプリはプリインストールされているほか、Google Playストアを使えば好きなAndroidアプリを利用できます(Android TV対応アプリに限ります)

発売にあたって実施されたメディア向けの説明会では、ピクセラ取締役 製品事業本部 本部長の堀 伸生氏が登壇。4Kチューナー内蔵4Kテレビが生まれた背景を紹介しました。ピクセラは2007年に行われた「CEATEC JAPAN 2007」で、「マルチファンクションテレビ」として、地デジ、番組表、webブラウザやメディアプレーヤー機能をそろえた製品を展示しましたが、当時の組込CPUやOS能力では製品化に至りませんでした。

  • 2007年に試作したマルチファンクションテレビは時代を先取りしすぎたため、発売に至らなかったものの、当時の技術や経験が今の4Kテレビにつながっています

しかし、その時に培ったソフトウェア技術は脈々と生きており、スマートテレビ向けのAndroid OS(ほぼ、スマホのSoCと同じ)と、スマートテレビ向けSoCを利用して4Kチューナー内蔵の4Kテレビを開発していると話します。

ピクセラによると、同社の4Kテレビは独自開発のソフトウェアと、最小限のハードウェアで構成されたメイン基板で構成されており、低価格を実現しているそうです。

チューナーとして、地上デジタルチューナー×3、BS・110度CSデジタルチューナー×3、BS 4K・110度CS 4Kチューナー×2(ともにBS・110度CSデジタルチューナーと兼用)を備え、新4K衛星放送の裏録にも対応します(別売の外付けHDDが必要)。Ultra HDブルーレイで採用されているHDR方式「HDR10」のほか、新4K衛星放送で用いられるHDR方式「HLG」もサポートするのがうれしいところです。

「普及モデルの4Kテレビがほしい」の声から生まれた

ピクセラによると、ユーザーから「現在、フルHD解像度の32V型液晶テレビを使っているが、これに置き換わる手ごろな4Kチューナー内蔵の4Kテレビが欲しい」というリクエストが多かったそう。40V型「PIX-40VM100」は同社の32V型液晶テレビと比べて、画面サイズは25%アップしつつ、本体サイズ91.6×H62.8mmと、32V型液晶テレビの置き換えとしては最適です。ピクセラによると、「32V型の4Kテレビも企画段階では候補に挙がっていたが、4K放送の美しさを体感するには最低でも40V型が必要」だといいます。

  • ピクセラによると、2019年現在、テレビでもっとも普及しているサイズは32V型だそう

ピクセラのスマートテレビを利用している人のデータを利用して、オススメ番組の提案や視聴者数のリアルタイムランキング、過去の視聴者数の推移などが見えるというおもしろい機能も搭載。

ピクセラは2018年12月に「PIX-43VP100」「PIX-55VP100」という43V型、55V型の4Kチューナー内蔵4Kテレビ「VP」シリーズを発売しており、今回で同社の4Kチューナー内蔵テレビのラインナップは40V型、50V型の「VMシリーズ」と合わせて、計4モデルとなりました。

VPシリーズと、今回のVMシリーズの違いですが、低価格で提供するため、スペック表を見るとLocal Dimming(表示エリアによってバックパネルの明るさを変える技術)をサポートしないようです。

台数限定とはいえ、税込4万円台で4Kテレビが買えるというのは大きなインパクト。40V型は1人暮らしや少人数世帯にちょうどいいサイズだと思いますので、これを機に自宅で4K放送を楽しんではいかがでしょうか。

  • 自社開発の4Kエンジンや、独自データのリコメンド、人気の番組がわかる「オンリーワン」機能も備えます

  • リアルタイムで視聴者数がわかるのがユニークなところ。視聴率調査会社の数値ではなく、ピクセラユーザーの視聴者数がわかるのはおもしろいですね