2018年7月に行われた『Tokyo 7th シスターズ』(『『ナナシス』』)初の日本武道館ライブ。大きな感動を生んだスペシャルなライブの感動を閉じ込めたLive Blu-ray&CD『Tokyo 7th Sisters Memorial Live in NIPPON BUDOKAN “Melody in the Pocket”』が2019年2月20日にリリースされた。

  • 「Tokyo 7th Sisters Memorial Live in NIPPON BUDOKAN “Melody in the Pocket"」Screening Party!!

その先行上映会「Tokyo 7th Sisters Memorial Live in NIPPON BUDOKAN “Melody in the Pocket"」Screening Party!!が2月13日、東京・新宿バルト9にて開催された。

上映に先駆けて行われたトークコーナーでは、キャストの篠田みなみ(春日部ハル役)、加隈亜衣(角森ロナ役)、桑原由気(晴海シンジュ役)、茂木伸太郎総監督が登壇。司会の宮島咲良と共に、映像作品のことやライブの裏話など、いろいろな話を聞かせてくれた。

『ナナシス』のライブは少し特殊なところがあり、それについては「ライブって、自由というか“生”という意味で、リアルタイム感とかアドリブ込みでのものがライブだと思うんです。でも『ナナシス』は、間とか尺とかタイミングとかも全部作ってきたタイプのライブをやってきていたんですけど、(武道館は)その集大成になったのかなと思ってます」という茂木総監督の言葉が端的に表していると言えるだろう。

  • 篠田みなみ

ライブなのだが、たとえばセリフを言うタイミングなどはすべて決められているのである。キャストが自由にトークするところもあるが、基本的には台本があり、それに沿って進んでいく。それはもしかしたら演劇とかミュージカルに近いところがあるのかもしれないが、実際に現場で見てみると、それは紛れもなくライブなのである。

その理由は何なのかと考えると、その答えは「汗」なのかもしれない。この日のトークでも加隈亜衣が「練習のときにフルで通したときに感じたマックスの暑さを、冒頭の3曲で越えたんです。みなさんもだんだんいい顔をしてくれるから、こっちもテンションが上がって、不安だったのが後半はすごくハイになりましたし、それは初めての体験でした。でもすごい汗だから、ブルーレイで出してほしくないんです。画質下げてほしい(笑)!」と言っていたが、やはり、あの時あの場所でしか感じられないものが確実にあり、それが暑さであり熱さなのだと思う。そしてその熱さを支配人(=ファン)と共有し合うことこそが、ライブなのだろう。

  • 加隈亜衣

「茂木さんは結構汗推しというか。でも女の子だから汗はイヤなんですよ。やめてよ~って思うんですけど、茂木さんが“汗がいいんだよ!”って言ってくれるから、その言葉を信じて我々はやっているんです(笑)。私も映像を見させていただいたんですけど、俯瞰で見たときにきれいだなと思ったので、茂木さんを信じて良かったです。汗はいいぞ!」と桑原も熱弁していたが、日本武道館ライブでの彼女たちの汗は本当に美しかった。

ライブを全力でやり切ったあと、大きなスクリーンに写し出された彼女たちの表情がその証明である。ただ、ライブだと距離という物理的な問題もあって、表情までは見ることができない。映像作品の良さは、歌っているときの表情がよくわかるということだ。ここで目をうるませているとか、最高の笑顔で歌っているというのがすごく伝わってくるので、実際に見るエモさとはまた違うエモさを味わうことができた。実際に、表情というところでは、すごくこだわった編集がされていたと思う。

  • 桑原由気

また、衣装に関して、ステージの真上にカメラを設置していたので、クルッと回ったときにきれいな画になるように考えてデザインされていたようで、実際に玉坂マコト(CV.山崎エリイ)と折笠アユム(CV.田中美海)による片想いユニットCi+LUSが歌う「シトラスは片想い」では、ふたりがクルッと回ったときにスカートがきれいに円になる映像が、何度も繰り返されていた。

そして、このライブのハイライトと言えば、春日部ハルが歌う「またあした」であるというのは断言してもいいだろう。この日は、360度客席が取り囲むセンターステージで行われていたので、まさに日本武道館のど真ん中で春日部ハルとして篠田がソロを歌ったのだが、それがとにかく素晴らしかった。それは映像としても見どころになっていたが、トークでもそのときのことを振り返っていた。

篠田は「正直何度も逃げ出そうと思ったけど、仲間がいて、支えてくれるスタッフさんがいたので、本番は怖いこともなく、温かい空間で、自分も温かい気持ちで歌を届けられました。歌っている途中にみなさんから拍手が帰ってきたんですけど、それがすごく嬉しくて! 歌で気持ちを伝えることってすごく良いことなんだなと改めて思いました。自分の中で生まれ変わったような瞬間でした」と述懐する。

  • 茂木伸太郎総監督

そして茂木総監督も「このタイミングで篠田さんに任せて“やりたい”と思ったのは自分だったので、彼女はそれに最後まで向き合ってくれました。ゲネのときに自分の歌を歌ったという感覚を持ったんですけど、そこからは何も言うことがなかったです」と語っていた。ちなみに篠田を迎えるシーンでの演出では、天堂寺ムスビを演じる高田憂希のこだわりもあったそうなので、それはぜひ映像で確かめてもらいたい。

30分があっという間だったトークパートが終わり、いよいよ本編の上映。篠田から「盛り上がる準備はできてますか!」という煽りもあって、上映中はスクリーンに流れる迫力のライブ映像を見ながら、みんなでクラップやコールをし、ペンライトを振って楽しんでいた。ライブの熱狂をもう一度体験できるという、まさに一夜限りのスペシャルな上映会となった。