JR西日本は23日、和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)などに導入する新型車両227系1000番台の試乗会・展示会を実施した。同日午後に試乗会で高田駅から王寺駅まで走行した後、王寺駅5番線ホームで展示会が行われた。

  • JR西日本が新型車両227系1000番台の試乗会・展示会を実施(写真:マイナビニュース)

    JR西日本が新型車両227系1000番台の試乗会・展示会を実施

227系1000番台の外観は、広島地区へ投入された227系、京阪神地区へ投入された225系2次車や323系などと共通するデザイン。奈良・和歌山に共通する文化・歴史・自然を思い浮かべられる色彩である緑をキーカラーに採用した。扉回りや先頭車間転落防止幌に緑を配し、窓下のラインは緑に加え、ブラウン系・ウォームグレー系の色を使用することで「アーバンネットワーク」ブランドの車両であることを表現している。

車内の座席はドア間10人掛け・車端部4人掛けのロングシートとし、1人あたりの座席幅は470mm(車端部は440mm)。10人掛けの座席は3人・4人・3人で着席できるように仕切りを設けた。座席クッションの裏にSバネ構造を採用することで、クッション性も向上させている。その他、つかまりやすい吊り革・手すり、LEDを採用した客室内照明と情報表示装置、バリアフリーに対応したトイレと車いすスペースの設置、ドア付近の半自動押ボタン、車両間の扉に設けたアシストレバーも特徴とされている。

今回の試乗会・展示会で使用された車両は、1号車から「クモハ226-1007」「クモハ227-1007」「クモハ226-1008」「クモハ227-1008」の4両編成(2両編成×2編成)。扉付近に設置された「車載型IC改札機」はカバーなどで覆われ、使用不可とされた。和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)では全車両の置換え完了後、2020年春から新型車両の「車載型IC改札機」を利用し、「ICOCA」エリアを拡大する予定となっている。

2月23日は午前に和歌山県内でも試乗会・展示会が行われ、沿線から227系に手を振る企画も実施されたという。その後、和歌山線を走行して奈良県内に入り、13時43分頃、高田駅1番線ホームに到着。和歌山線高田~王寺間の試乗会では、地元の自治体関係者ら約90名が乗車した。普段は静かな高田駅構内も、発車までの間はにぎわいを見せた。

試乗会の列車は高田駅を14時15分頃に発車。走行中の車内にて、担当者による227系1000番台の車両解説が行われた。途中のJR五位堂駅で停車し、高田行の快速と待ち合わせ。ホームには新型車両のデビューをPRするポスターが多数貼られてあった。

  • 227系1000番台が試乗会で高田駅から王寺駅まで走行。JR五位堂駅で高田行の快速とすれ違う

  • 王寺駅の展示会に「雪丸」が登場。227系1000番台の種別・行先表示器に「雪丸」のイラストも

14時34分頃、多くの鉄道ファンらが待ち構える中、試乗会の列車は王寺駅5番線ホームに到着。その後は展示会となったが、王寺駅では15時の時点で700名以上が来場したとのことで、入替制での実施となった。展示会では奈良県王寺町のキャラクター「雪丸」も登場。227系1000番台に設置されたフルカラーLEDの種別・行先表示器にも「雪丸」のイラストが表示された。多くの来場者が新型車両の外観・車内を写真に収めていた様子だった。

新型車両227系1000番台は3月16日のダイヤ改正に合わせて運行開始し、しばらくは和歌山線を中心に、4両編成での運用を予定しているとのこと。その後も追加投入を進め、2019年秋までに和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)の既存車両105系・117系をすべて置き換える。和歌山線から紀勢本線(きのくに線)和歌山~紀伊田辺間へ直通する列車も新型車両による運行となる。

  • 和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)の新型車両227系1000番台の車内・外観