2015年4月より関東地区(TBS)でも放送が始まり、現在8局で放送されているCBCテレビ制作の情報番組『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(毎週月曜~金曜13:55~)。関東進出当初は視聴率0.9%と苦戦を強いられるも、2017年10月4日放送回で関東地区で同時間帯1位(5.4%)を獲得し、2018年2月2日放送回では関東地区での過去最高視聴率7.2%を記録するなど、確実にファンを増やしている。

MCを務めるCBCテレビ・石井亮次アナウンサー(41)も『ゴゴスマ』の躍進に大きく貢献。さわやかな見た目と軽妙なトークで視聴者の心をつかみ、コメンテーターたちが自由に発言できる心地よい空気も作り出している。最近では、TBSのバラエティ番組や、『下町ロケット』『陸王』などドラマにも出演。活躍の幅を広げている石井アナに、『ゴゴスマ』MCとしての心構えや、関東進出後の変化などについて話を聞いた。

  • 石井亮次、CBC、ゴゴスマ

    CBCテレビの石井亮次アナウンサー 撮影:蔦野裕

■コメンテーターがのびのびと話せる空気作り

――『ゴゴスマ』はコメンテーターの方がのびのびと話されていて、自由な空気が魅力的だなと感じます。MCとしてどのようなことを心がけていますか?

うれしいです! それくらいしか差別化できるところはないんです(笑)。みなさん思ったことを自由にしゃべってくださいね、というようにやっているので。「ありがとう、今日も頑張れた」って言ってみなさん帰られます。新幹線に乗って名古屋に来ると、東京でも放送されているのを忘れてしゃべってしまうというのもあるみたいですよ。たまに迷惑なときもあるんですけどね(笑)。ウソですウソです! でも僕がすごいのではなく、自由にやっていいという番組の作りがすごいんです。

――出演者の方をいじって笑いにしたり、石井アナのトークも魅力ですが、大阪ご出身ということで自然と身についたものなのでしょうか?

おしゃべりは昔から好きでしたし、小さいころから朝から晩までラジオを聞いていました。16歳から23歳まで実家のガソリンスタンドでバイトしていたんですが、そこでもずっとラジオが流れていて、言葉でニュースを伝えたり野球実況したりするのってすごいなという憧れはずっとありました。ガソリンスタンドにはいろんなお客さんが来るので、そのやりとりも勉強になりましたし、危険物取扱免許をとったことで『ゴゴスマ』でもケンコバ(ケンドーコバヤシ)さんとかの取り扱いに生きていますよ(笑)

――なるほど!(笑) ご家族もおしゃべり好きですか?

父親もよくしゃべっていて、その影響もあると思います。例えば母親が椅子の角にぶつけて痛がっていると、「大丈夫か? 椅子壊れてないか?」って細かいボケをずっとやっていて(笑)。父親は2015年に亡くなったんですが、亡くなる1時間前くらいの病室で「父ちゃんありがとう」って言ったら、ほとんど意識なかったのに「まだ早い」って言われて、そのやりとりも面白かったです。

――アナウンサーになろうと決めたのはいつ頃ですか?

昭和60年、小学校3年のときにタイガースが日本一になるんですけど、そのときにテレビの音を消してラジオの音で野球の実況を聞くというマニアックな見方していたんです。そして、「野球選手かっこいい」ではなく「しゃべっているおっちゃんかっこいい」と思って、それが最初のきっかけです。

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■父親の力を感じた『ミヤネ屋』超え

――アナウンサー人生では、2013年の『ゴゴスマ』スタートが大きな転機に。

そうですね、36歳で。それまでメイン司会なんてほとんどやったことなかったんですけど、やらせていただくことになってありがたかったです。

――2015年4月からは関東地区(TBS)でも放送開始。あのときはどんな心境でしたか?

青天の霹靂ですよ! 東京で映るっていうことは、(明石家)さんまさんも(ビート)たけしさんも見てくださるかもしれないなって思いました(笑)

――関東進出直後は苦戦を強いられていましたが、そこから『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ・日本テレビ)、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)を脅かす存在に。

スタート直後に父親が死ぬんです。葬式か『ゴゴスマ』かってなったときに、父親は「仕事せえ!」って言ってたんで悲しみをこらえながら番組をやったんですが、次の日に発表された関東地方の視聴率が0.9%だったんです。だれが霊柩車やねん! って(笑)。そこから2年経って父親の三回忌の命日の日に、初めて父親の形見のネクタイをして出演したら、関東地方の視聴率が初めて『ミヤネ屋』を超えたんです。これ父親の力やなって思って。そういうエピソードがワンパッケージであります!

――感動的なエピソードですね。完全に石井アナのネタになっていて笑ってしまいますが(笑)。先ほどから伺っているとお父さんとのエピソードが多いなと。

父親とのエピソードはたくさんありますね。66歳で亡くなったので人生ってあっという間だなと感じ、思い切って何事もやらなあかんなと。東京で映る機会を与えてもらってるんだったら、スタジオのトークもアナウンサーだったらブレーキを踏むんちゃうかなっていうところをブレーキ緩める、あるいはアクセル踏むようになった気がします。父親の死で人生一度きりだと痛感して。

――石井アナのその変化も『ゴゴスマ』にプラスに働いたんですね。

番組の変化としては、情報番組から報道番組に方向転換をしたのが大きかったです。当時舛添(要一)さんのニュースを毎日取り上げ、都民税払ってない名古屋のスタッフばっかりなのに都の話ばっかりやって(笑)、そうしたら小池百合子さんが出てきて小池さんを多く取り上げ、政治メインでやっていったら数字が上がっていきました。

――ライバルは裏番組だとおっしゃっていたのを聞きました。

ライバルですよ! 宮根(誠司)さんも安藤(優子)さんも、水谷豊さん、沢口靖子さんも。

――再放送ドラマの水谷さん、沢口さんも!

そうですよ! 水谷さん、沢口さん、米倉涼子さんは強いですから。

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