毎日忙しくて、食事を作るのが大変というママやパパは多いのではないでしょうか。そんなママたちの支えになる外食や中食ですが、栄養の偏りが気になるという声も聞かれます。今回は家族で外食や中食をするときの注意点について、管理栄養士の宇野薫さんに聞きました。

  • 子どもと一緒に行く外食

    外食・中食、子どもの食事でどう使う?(画像はイメージ)

Q.外食や中食をすると、栄養面でどのようなことが心配されますか?

まず心配されるのは、ご飯やパン、麺類などの主食に偏りがちになることです。外食・中食には、ラーメンやパスタなどの主食を中心としたメニューが多く、主菜と副菜が不足しがちで、バランスの良い食事がとりにくい傾向にあります。

二つ目に挙げられるのは、油と塩、そして砂糖のとりすぎです。この3つは人に「おいしい」と感じさせて依存に導いてしまうことがあります。家庭料理よりも多く含まれている傾向にあるので注意が必要です。

Q.特に注意が必要なメニューはありますか?

例えば、コンビニなどで売られているおにぎりの中には、かなり多くの塩分が含まれているものがあります。成分表を確認してから購入するといいでしょう。

また、揚げてから時間がたった揚げ物には酸化しやすい油が含まれています。炎症を引き起こす成分を作るため、とりすぎには注意が必要です。

さらに、トランス脂肪酸を多く含むお菓子やパン類も食べ過ぎないよう注意しましょう。トランス脂肪酸を多くとることで、皮膚炎やアレルギーなどの健康リスクにつながるという指摘があるからです。

Q.栄養面での心配がある中で、外食・中食を上手に利用するにはどのようなことを心がけたらいいですか?

主菜、副菜を意識してしっかりととることが重要です。

主菜は肉や魚、大豆や卵などがありますが、特にタンパク質の摂取をお勧めしたいと思います。卵や焼き鳥などタンパク質を多く含むメニューを選ぶことで、食事のバランスを良くすることができます。

また副菜には、野菜や海藻、芋などがありますが、食後にカットフルーツを食べるだけでも栄養の偏りを防ぐことができるでしょう。

主食を選ぶときも、主菜や副菜を合わせてとれるようなメニューを選んでみましょう。例えばパスタなら、具材が入っているペスカトーレなどを選ぶというように、日ごろから心がけるといいですね。

Q.メニュー選びを意識しても、塩や油、砂糖を減らすのは難しい気がするのですが

少しの意識や工夫で、これらの摂取量も減らすことができますよ。例えば塩分については、中食の中でもおにぎりではなく、味付けされていない白いご飯を選択すれば、塩分はとらずに済みます。外食時には味噌汁を薄めて飲むのもお勧めです。総菜にカットキャベツやもやしなどの野菜を足して再調理をすることで、味を薄めるという方法もあります。

糖分の摂取については、ジュースの飲みすぎに注意してみてください。レストランなどのドリンクバーは、子どもたちがつい飲みすぎてしまうので注意が必要です。子どもたちには、「何杯まで」とルールを決めるなどするといいでしょう。

栄養面のお話からは少し外れますが、総菜を家で食べる場合、容器からお皿に移し替えるだけで、おいしそうに見えます。食事は、目で楽しむことも大切なので、ぜひやってもらえたらと思います。

Q.ここまで子どもの食事全般について注意点をお聞きしましたが、特に赤ちゃんの外食や中食で気をつけた方がいいことあれば教えてください

外食する時に持ち込みが可能な場合は、市販の離乳食などを持ち込むことも選択肢の一つです。

また、赤ちゃんは咀嚼力が未熟です。大人の食べ物を取り分けたり、子ども用の食事を選んだりするときは、親がしっかりとケアしてあげましょう。与えっぱなしにせず、量や硬さや大きさ、味についてきちんと確認してあげてほしいと思います。乳児期は味を覚える大切な時期なので、できるだけ口に入るものには気を付けてもらいたいですね。

Q.ママ・パパの負担を軽減できる外食や中食、上手に活用できたらいいなと思います

家族のために1日3回の食事を365日作るママ・パパたちの負担はとても大きいものです。外食や中食でも、工夫すれば栄養の偏りを防ぐことができるので、たまには頼ってもいいと思います。ご飯作りや後片付けの時間を短縮できれば、ママたちが子どもたちとゆっくり過ごす時間もできるでしょう。

また、家庭では作らないさまざまな料理に子どもたちが出会う場にもなり得て、貴重な経験にもなります。食事は、家族でおいしく楽しく豊かにとることが一番重要なことなので、外食や中食、そして家庭でのご飯など、さまざまな食事を楽しんでもらいたいと思います。

管理栄養士 宇野薫

看護師の母、糖尿病の祖父の影響で食事の重要性を痛感。予防医療に貢献したいと管理栄養士を志す。女子栄養大学卒業後、病院、高齢者施設での経験をもとに、疾病予防、アンチエイジングなど、なりたい自分になるための栄養指導に従事している。現在、「子どもの食と栄養」についての講義や、妊婦・女性を対象にした栄養教育に関する研究をする傍ら、聖マリアンナ医科大学東横病院で栄養カウンセリングを担当しているほか、一般社団法人Luvtelliのメンバーとしても活躍。予防医療の中でも、特に"母子健康"に貢献することで、元気な赤ちゃんを1人でも増やせるよう取り組んでいる。2児の母。