丸紅とZMPは12月7日、空港制限区域内での自動走行車両を用いた自動運転サービスの事業化を目指し、合弁会社としてAIROを共同で設立した。出資比率は丸紅が66%、ZMPが34%。

  • 左からZMP 取締役の市橋徹氏、丸紅 航空・船舶本部 副本部長兼航空宇宙・防衛システム部長の岡﨑徹

    左からZMP 取締役の市橋徹氏、丸紅 航空・船舶本部 副本部長兼航空宇宙・防衛システム部長の岡﨑徹

世界の航空旅客需要は堅調に推移しており、国内においても訪日外国人旅客数(インバウンド)が増加し、日本政府は2020年までに年間4000万人達成を目標としている。一方で、インバウンド増加による航空発着便数の拡大と生産年齢の人口減少に伴い、空港での航空機離着陸時に必要な地上支援業務の労働力不足が深刻な課題となっているという。

両社は、労働力不足の課題解決に向け、丸紅の空港グランドハンドリング事業および航空分野におけるノウハウとZMPの自動運転技術の開発力と実績を融合するため、AIROの立ち上げた。

丸紅は、2006年にスイスポートジャパンを設立し、空港グランドハンドリング事業に参入し、現在では成田・羽田・中部・関西・福岡の国内主要空港において事業を展開し、空港内ビジネスのノウハウ・知見を蓄積。従来の航空機・エンジン販売や整備支援などの代理店ビジネスにとどまらず、エンジン開発投資や航空機・エンジンリース、部品売買、宇宙ビジネスなどへも進出し、堅調な旅客需要の成長が見込まれる航空分野の事業拡大に取り組んでいる。

ZMPは、ロボット技術をベースに自動運転開発プラットフォーム「RoboCarシリーズ」や自動運転の統合コンピューター「IZAC」などを中心に開発してきたベンチャーで、それらを自動運転車両管理システムなどとあわせて自動運転プラットフォームとして提供している。

また、2014年に公道における実証実験を開始し、2018年8月には日の丸交通と大手町~六本木間で世界初となる自動タクシーの営業運行を行うなど、都心部を中心に自動運転車両の走行試験を継続的に実施。さらに、宅配ロボット「CarriRo Deli」の開発や実証実験を推進し、自律移動技術の実用化に取り組んでいる。

国土交通省では、空港における労働力不足に対応するため、6月に「空港制限区域内の自動走行に係る実証実験」を公募し、9月に両社は実証実験の実施者に選定された。

  • 実証実験で利用する「RoboCar MiniVan」のイメージ

    実証実験で利用する「RoboCar MiniVan」のイメージ

AIROの事業活動の一環として、空港制限区域内における乗客・乗員の輸送を想定した実証実験を成田国際空港および中部国際空港で実施を予定しており、AIROでは実証実験の実施から自動運転車両および付随サービスの商品化・販売の検討など、深刻化する空港での労働力不足へのソリューション提供を通じ、日本のインバウンド拡大に貢献していく考えだ。