モバイルゲーマー待望の日本上陸

ASUS JAPANは16日、ゲーミングスマートフォン「ROG Phone (ZS600KL)」を日本国内向けに発表しました。オーバークロック版のSnapdragon 845や、HDR対応の有機ELディスプレイを搭載するなど、ゲームプレイに特化したスペックを備えています。希望小売価格は税別119,500円。同日より予約を受け付け、11月23日に発売される予定です。

  • ASUS「ROG Phone」

ROG Phoneは、今年6月に台湾で開催されたCOMPUTEX 2018において発表されたスマートフォンで、台湾や米国では10月ごろに発売されていました。今回、日本語化や技術基準適合証明(技適)などの対応が完了し、日本でも発売されることになりました。

オーバークロック版のSnapdragon 845

OSにはAndroid 8.1を搭載。SoCはSnapdragon 845ですが、もともと定格2.8GHzのところ、最大2.96GHzで動作するオーバークロック版を採用しています。現時点で、このオーバークロック版を採用した製品はこのROG Phoneだけとのこと。PCゲーミングのリーディングメーカーでもあるASUSらしさが詰まったスマホと言えるでしょう。

例えばベンチマークアプリのAnTuTuでは、ほかのSnapdragon 845搭載スマホが27万点程度のところ、ROG Phoneは30万点超え。GFXBench 4.0でも他のスマートフォンより高得点をたたき出すなど、パフォーマンスの高さをアピールします。メモリは8GB、ストレージは512GBと十分なスペックとなっています。有機ELディスプレイや大容量バッテリー、11ad対応のWi-Fiについては後述します。

  • 2.96GHzにオーバークロックしたカスタマイズ版Snapdragon 845を搭載

  • 主要なスペック

  • 各種ベンチマークアプリで好成績を達成

超音波タッチセンサーで4本指プレイが簡単に

操作性では、側面3カ所に超音波タッチセンサーを搭載。ROG Phoneを横向きに持ったときに側面上部の左右がボタンとして使える「Air Trigger」機能を利用できます。家庭用ゲーム機のコントローラーによくある「L」と「R」のボタンがスマホに追加されたとイメージするとよいでしょう。スマホゲームでも画面タッチをせずに、専用コントローラーのように操作できます。

本体を縦に持ったポジションでも、左右の超音波タッチセンサーが機能する設計となっており、側面を握ってアプリを起動することなどが可能。GoogleのPixel 3にも似たような機能がありますが、長く握る、短く握る、といった使い分けで複数の機能が割り当てられます。

  • スマホゲームの操作性が著しく向上する「Air Trigger」

  • タッチセンサーは縦持ち、横持ちで動作が変わります

  • 本体側面だが、横向きのゲームプレイ時を基準に語りたくなるのがROG Phone。横向き時天面に超音波タッチセンサー、底面に外付けクーラーユニットを接続する端子がある

  • 本体上部と底部。横向きのゲームプレイ時は側面になる

万全の冷却機構、外付けクーラーが標準付属

スマホゲームの大容量化、高画質化が進んだことで、ゲーム中の熱問題が深刻になっています。その対策としてROG Phoneでは、「3Dベイパーチェンバーシステム」を採用。カーボン冷却パッドや銅製ヒートスプレッダーと組み合わせたシステムで、放熱処理を強化しています。これによってCPU冷却性能は60%向上しているそうです。

さらに、外付けクーラーユニット「AeroActive Cooler」が標準付属。AeroActive Coolerは側面のHDMI端子を占有しますが、USB Type-C端子とイヤホン端子を横向き時底面に備えており、ゲームプレイ時にケーブルが操作の邪魔にならないというメリットも加わります。

  • 3Dベイパーチェンバーシステムを採用

  • 付属のクーラーユニット「AeroActive Cooler」

  • 「AeroActive Cooler」の底面にはUSB Type-Cとイヤホン端子がある。スマホ本体の底面 (横向き時側面) にケーブルが挿さっている状態に比べ、ゲームの操作に干渉しません

10W・3Aの高速充電機能「ROG HyperCharge Technology」は、30分で4,000mAhの大容量バッテリーの60%を充電できる性能を誇ります。充電をコントロールするチャージャーICは、通常本体側に搭載されていて、充電中の熱源となりますが、これを充電器側にも備えることで熱源を分散。充電しながらのゲームでも発熱を抑える工夫をしています。

HDR対応の有機ELディスプレイ

ディスプレイは6インチ有機ELディイスプレイを採用しており、色再現はDCI-P3比で108%、コントラスト比は10万:1でHDRにも対応します。ステレオスピーカーも搭載し、ハイレゾ、7.1chサラウンドのDTS:X、aptXにも対応します。もちろん、3.5mmのイヤホン端子も備えています。

  • 広色域、高コントラスト比でHDRに対応した有機ELディスプレイを採用

  • 背面のLEDライトのカラーを変更するAuraライト機能。ゲーム仲間と同じカラーを設定する機能も用意しています

  • 発表会場となったASUS Store Akasakaには、ROG Phone完成までの道のりも展示されていました

「TwinView Dock」で二画面化

別売の純正アクセサリーも充実しています。「TwinView Dock」は、クラムシェル型の本体を開いた下部に6インチのディスプレイを搭載。上部にROG Phoneを配置することで、上下2画面でゲームなどが楽しめます。下画面でゲーム、上画面で実況をしたり、ゲームと動画視聴を同時にしたり、別々のゲームを同時に楽しんだりと、さまざまな使い方ができます。

  • 上下2つの画面でゲームなどを楽しめる「TwinView Dock」

  • 折りたたみ型のボディ

  • Air Trigger対応のLRボタンやSDカードスロット、イヤホン端子などを備えています

「Mobile Desktop Dock」でPCゲームのように

「Mobile Desktop Dock」は、大画面ディスプレイやマウスなどと接続できる各種インタフェースを備えたドック。「ASUS Professional Dock」は、同様に各種インタフェースを備えたアダプタです。この2つの製品とROG Phoneを接続すると、Air Trigger機能が動作し、スマホゲームをマウスやキーボードで操作できるようになります。

  • 各種インタフェースを搭載したMobile Desktop Dock

  • 可搬性の高いASUS Professional Dock

  • これら2つのドックは、キーボードとマウスの動きを割り当てることができます

IEEE802.11ad経由で外部ディスプレイを利用

大画面ディスプレイとの接続用に「ASUS WiGig Dock」も用意されています。ROG Phoneは無線LANの規格としてIEEE802.11adに対応。より高速、低遅延の規格であり、無線でも有線に匹敵するタイムラグのため、無線でも大画面でゲームが楽しめます。

  • 低遅延なIEEE802.11adを使ってディスプレイとワイヤレス接続できる「ASUS WiGig Dock」。ほぼ遅延がないことをアピール

「GAMEVICE」でまさにポータブルゲーム機に

ROG Phone用の「GAMEVICE」も用意されています。これをROG Phoneに取り付けることで、ポータブルゲーム機のようなゲーム操作環境が簡単に手に入ります。また、ROG Phone専用ケースも用意されています。3分割する仕組みとなっていて、AeroActive Coolerも同時に装着できます。

  • ROG Phone用のGAMEVICE

  • 各アクセサリーの価格

  • ROG Phone本体とすべてのアクセサリーをセットにした「ROG Phone コンプリートセット」。先着30人にはスーツケースも付属します。価格は199,500円(税別)

  • スマートフォンとしてはデュアルSIMをサポート。3キャリアのVoLTEに対応したDSDV仕様です

米国や中国をはじめとして海外でeスポーツが流行していますが、日本市場はコンソールゲームが強く、独自のゲーム文化が根付いています。その中で日本でもeスポーツへの取り組みを強化する動きが増えており、今回のROG Phoneが、そうしたeスポーツの流れを加速させることができるか。今後の動向に注目です。

  • 発表会にはプロゲーマーのChocoblankaさんがのゲスト参加。11月23日まで「ASPHALT 9」のタイムに挑戦するイベントが開催されます