東京急行電鉄および東急不動産は15日、渋谷駅周辺の再開発プロジェクトの進捗に関する概要発表会を実施し、「渋谷スクランブルスクエア第I期(東棟)」の2019年秋開業などを発表した。「渋谷スクランブルスクエア第I期(東棟)」14階の見学会も行われた。

  • 「渋谷スクランブルスクエア第I期(東棟)」は2019年秋開業

2019年秋の開業が発表された「渋谷スクランブルスクエア第I期(東棟)」は、東急電鉄・JR東日本・東京メトロの3社が共同出資する渋谷スクランブルスクエア株式会社により運営。渋谷駅直上に位置し、渋谷エリアでは最も高い地上47階建て・高さ230m、商業施設・産業交流施設・オフィス・展望施設で構成される建物となる。工事は順調に進捗しており、今月中に上棟を迎え、今後は内装の工事などが進められるという。

見学会が行われた14階は商業施設の最上階にあたり、地上からの高さ71mとのこと。北西ブロックの窓ガラス面が報道関係者らに公開され、北側の窓ガラス面から新宿のビル群や代々木公園をはじめ、JR山手線・埼京線・湘南新宿ラインと東京メトロ銀座線の列車、渋谷駅西側のスクランブル交差点を行き交う人々の様子も見ることができた。この日は快晴だったこともあり、西側の窓ガラス面から富士山も見えた。

  • 「渋谷スクランブルスクエア第I期(東棟)」14階の見学会も実施。西側の窓ガラス面から富士山も見えた

  • 北側の窓ガラス面から新宿のビル群やJR線の列車、スクランブル交差点などを眺められる

今回の発表会では、「渋谷スクランブルスクエア第I期(東棟)」を構成する施設のうち、展望施設(14・45・46階・屋上)の名称を「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」、産業交流施設(15階)の名称を「SHIBUYA QWS(キューズ)」とすることも発表されている。

展望施設「SHIBUYA SKY」は日本最大級という約2,500平方メートルの屋上展望空間を有し、高さ230mからスクランブル交差点や富士山、東京スカイツリーなど360度を一望できるパノラマビューを実現。雨天でも楽しめる屋内展望施設も備える。デジタルテクノロジーを用い、来場者の感覚を刺激する特別な演出も予定されている。ロゴデザインも公開され、漢字の「空」をモチーフに、大地とそこから広がる青空を表現した。

産業交流施設「SHIBUYA QWS」は「問いの感性」を表す「Question With Sensibility」の頭文字を取って命名。ロゴデザインは漢字の「問」をモチーフに、「QWS」の頭文字「Q」、対話・発信を表す「吹き出し」の形状も取り入れた。コミュニティコンセプトは「Scramble Society(スクランブル・ソサエティ)」。渋谷ならではの多様な人々が交流し、社会価値につながるアイデアや新規事業などを生み出す未来共創拠点とされる。200名規模のイベントを受入れ可能なイベントスペース「QUEST」などを設け、「問い」を起点とした独自プログラムと、東京大学・東京工業大学・慶應義塾大学・早稲田大学・東京都市大学との産学連携により、新しい価値の創造とクリエイティブ人材の育成をめざすという。

商業施設「渋谷スクランブルスクエア ショップ&レストラン」(地下2階~地上14階)ではフード、ファッション、ライフスタイル雑貨、カフェ・レストランなどを展開し、ビジョンを「世界最旬宣言」、コンセプトを「ASOVIVA(アソビバ)」と設定。週~月単位でテナントを入れ換えるポップアップスペース、多彩なニーズに対応したイベントスペースをはじめ、時代の最旬を求めて渋谷に集まる人々を「“VIVA”なキモチ」にさせる施設をめざす。オフィスフロア(17~45階)は渋谷最大級の広さ(総賃貸面積約7万3,000平方メートル、基準階最大約870坪)を誇り、サイバーエージェント、ミクシィ、レバレジーズなど8~9社がテナントとして入居予定となっている。

発表会ではこれらに加え、渋谷駅前の旧東急プラザ渋谷および隣接する街区を一体開発する「道玄坂一丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」(2019年秋竣工予定)のビル名称を「渋谷フクラス(SHIBUYA FUKURAS)」とすることも発表された。渋谷を訪れる人々の「幸福を大きく膨らませていきたい」との思いを込め、日本語の「膨らす(膨らます)」を名称に採用。地上18階建てで、商業施設として「東急プラザ渋谷」が入り、オフィスフロアにGMOインターネットグループの入居が決定。ビル1階にバスターミナルが設置され、一般路線バスや空港リムジンバスの乗入れが予定されている。

  • 「渋谷スクランブルスクエア第I期(東棟)」の展望施設の名称を「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」、産業交流施設の名称を「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」、渋谷駅前の旧東急プラザ渋谷などを一体開発するビルの名称を「渋谷フクラス(SHIBUYA FUKURAS)」と発表。各施設の概要なども説明された