俳優の斎藤工が1日、東京・六本木のアカデミーヒルズで行われた第31回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門特別上映作品『家族のレシピ』(2019年3月9日公開)の記者会見に、エリック・クー監督とともに登壇した。

『家族のレシピ』斎藤工

斎藤工

同作は、シンガポールと日本の外交関係樹立50周年を機に製作されたシンガポール・日本・フランス合作映画で、シンガポールのソウルフードであるバクテーと日本のラーメンを通じて、2カ国をまたぐ家族愛を描く物語。高崎でラーメン屋を営む主人公・真人(斎藤)は、父の突然の死に際し、10歳の時に亡くしたシンガポール人の母が書いた一冊のノートを見つけ、両親が歩んできた道を辿るべくシンガポールを訪れる。

斎藤は「ヒューマンドラマですが、シンガポールの歴史…僕ら日本人が詳しく教えられてこなかった歴史が描かれていて、それこそがエリック・クーのクリエイティブの神髄。シンガポールの方たちが僕ら日本人に対してどういう風に接してくれているのか、その背景を僕は初めて知り、より彼らとのコミュニケーションを愛おしく、と同時に悲しい気持ちも含めてとても絆が深くなりましたし、シンガポールの景色がとても深く入りました」と語り、「多くの日本の方に知って、体験していただきたい作品」と思いを込めた。

また、海外での反応を聞かれると、「フランス本国のリアクションが印象的だった」と答えた上で、アメリカで開催された日本映画祭「ジャパン・カッツ!」でのエピソードを披露。「上映前と上映後に登壇し、最初は『どんなものを見せてくれるんだ』という会場の雰囲気の中で挨拶をして、上映後に再び登壇する前に、待機していた場所で鉢合わせたアメリカ人の男性が泣きながら僕に握手を求めてくれて『本当に素晴らしかった』と言ってくださって、アジアの出来事というよりも何か自分に心当たりがあるようなリアクションをくれたことがとても印象深いです」と振り返った。

また、「フランスでオペラ座の近くの映画館で上映しているんですが、そこは僕が20年前にバックパッカーでパリに住んでいた頃に、なけなしのお金でチケットを買って通っていた劇場。そこで自分の主演作が上映されている、想像すらできなかった未来をエリックに出会うことで味わうことができた」としみじみ。さらに、「昨日、福山雅治さんから写メが送られてきて、劇場の外からの写真を『すごい、上映してる』って送ってきてくれました」と福山から写メールが送られてきたことも明かし、「僕にとって、とても奇跡のような出来事。全部エリックとの出会いのおかげだと思っています」と監督への感謝の思いを語った。

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