JR東日本は30日、首都圏と中央本線主要駅を結ぶ特急列車に新たな着席サービスを導入すると発表した。特急「あずさ」「かいじ」は2019年春から新型車両E353系に統一され、これに合わせて常磐線特急「ひたち」「ときわ」と同様の着席サービスが導入される。

  • 中央本線(中央東線)経由の特急「あずさ」「かいじ」は2019年春から新型車両E353系に統一される

同社管内の中央本線(中央東線)を走る特急列車のうち、特急「スーパーあずさ」は今年3月のダイヤ改正で新型車両E353系に統一され、特急「あずさ」「かいじ」も今年7月から一部列車でE353系による運行がスタート。将来的には両列車ともE353系に統一する予定とされていた。2019年春以降、「あずさ」「かいじ」は一部の臨時列車を除いてE353系に統一されることになり、これに合わせて「お客さまに座ってゆったりご利用いただくことを目的とした新たな着席サービス」を導入することが今回発表された。

対象区間・対象列車は千葉・東京・新宿~甲府・松本・南小谷間で運行される特急「あずさ」「かいじ」などの普通車全車両。これにより、両列車とも普通車の座席はすべて指定可能となる。利用者は列車・座席を指定する「指定席特急券」または乗車日・区間のみ指定し、列車・座席を指定しない「座席未指定券」を選択することになり、指定席特急券(「えきねっとチケットレスサービス」を含む)の購入で指定された座席に乗車できる。

座席未指定券を購入した場合は乗車後に座席上方ランプを確認し、空席なら座ることができる。車内に空席がないときはデッキ等の利用となる。座席上方ランプは緑色点灯で指定席発売済み、赤色点灯で空席、黄色点灯で間もなく指定席発売済みの区間を表し、「その座席の指定席特急券をお持ちのお客さまがいらっしゃいましたら席をお譲りください」とのこと。指定席特急券の利用者に対しても、その座席を空席として利用されることがあるため、「お手数ですが、着席されているお客さまにお声がけください」としている。

特急料金は指定席特急券・座席未指定券ともに同額とされ、駅などで購入する事前料金(大人)は営業キロ50kmまで750円、100kmまで1,000円、150kmまで1,550円、200kmまで2,200円、300kmまで2,500円、400kmまで2,850円。年間を通じて同一の料金となり、従来の通常期・繁忙期・閑散期の区分はなくなる。車内で特急券を購入する場合、事前料金に260円(大人)を追加した車内料金となり、車内の空席を利用することになる。座席未指定券については事前購入の後、乗車する列車が決まれば指定席券売機や「みどりの窓口」にて、追加料金なしで座席指定を受けることもできる。

グリーン車についてはこれまでと同様、事前に座席の指定を受けてからの利用となる。グリーン車の料金(大人)は営業キロ50kmまで1,260円、100kmまで1,510円、150kmまで3,090円、200kmまで3,740円、300kmまで5,070円、400kmまで6,440円。

中央本線(中央東線)特急列車の新たな着席サービスの導入に合わせ、スマートフォン・携帯電話から座席指定を受けられる「えきねっとチケットレスサービス」を開始。「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」も新価格で設定されるほか、早めの申込みでさらにお得になる「お先にトクだ値(乗車券つき)」が新規に設定される。あわせて特別企画乗車券が見直され、「あずさ回数券」「中央線料金回数券」「信州特急料金回数券」は2019年春をもって販売終了。塩尻~長野間で「信州しなの料金回数券」が発売される。