『仮面ライダージオウ』『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の第1話から最新放送エピソードまでを含む、東映特撮作品(テレビシリーズ、劇場映画、Vシネマ)が楽しめる配信アプリサービス『東映特撮ファンクラブ(略称:TTFC)』は、2018年10月1日でサービス開始3周年を迎えた。10月27日には毎年恒例となった会員向けスペシャルイベント『東映特撮ファン感謝祭2018』が開催され、豪華なゲストがステージにかけつけた。

  • 左から長澤奈央、別府あゆみ、伊藤あさひ、平田裕香、森田涼花

メインステージ第1部は、「東映特撮ファントーク特別版 スーパー戦隊ヒロイントーク」と銘打たれ、『忍風戦隊ハリケンジャー』でハリケンブルー/野乃七海を演じた長澤奈央、『魔法戦隊マジレンジャー』でマジピンク/小津芳香を演じた別府あゆみ、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』で臨獣カメレオン拳のメレを演じた平田裕香、『侍戦隊シンケンジャー』でシンケンイエロー/花織ことはを演じた森田涼花が登場した。

長澤と別府はTTFCのオリジナル配信ドラマ『ヒーローママ☆リーグ』で共演経験があり、さらには東映ビデオから発売中のBlu-rayソフト『新スーパーヒロイン図鑑スーパー戦隊2002~2006編【ハリケンジャー~ボウケンジャー】』の映像特典「伝説のスーパーヒロイン座談会2002~2006編」で幸(当時:西島未智)、山崎真実とともに熱い「戦隊」トークを繰り広げた間柄。そして平田と森田は『新スーパーヒロイン図鑑 スーパー戦隊2007~2011編【ゲキレンジャー~ゴーカイジャー】』の映像特典「伝説のスーパーヒロイン座談会2007~2011編」で杉本有美、にわみきほ、小池唯を交え、思い出話で盛り上がった仲であった。

別府が「自分が出演した"戦隊"のメンバーは、みんな家族みたいな関係になる」と話すように、それぞれが出演した作品の共演者とは放送が終了してからも長いつきあいになっていることが多いという。これを受けて森田は、「最近も、(高梨)臨ちゃん(シンケンピンク/白石茉子役)の結婚をお祝いするために集まった」と、今なおシンケンジャーのメンバーとの絆が深く、機会あるごとに集まっていると明かして客席をわかせた。

その後、それぞれの戦隊の華麗なる変身ポーズや、名乗りポーズの再現を行った4人の前に、サプライズゲストとして『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』でルパンレッド/夜野魁利を演じている伊藤あさひが登場。2000年生まれという若い伊藤は、幼いころに観ていたハリケンブルーが好きだったと語り、長澤を感激させていた。別府も伊藤のみずみずしい素肌に目を見張りつつ「カワイイ! 親戚みたいな気持ちになる」と、作品を越えたスーパー戦隊キャストの家族愛あふれるコメントを残した。

スーパー戦隊シリーズでは長年、すべての撮影シーンで自分の演技に後から声を吹き込む「オールアフレコ」が基本だったのだが、『シンケンジャー』から撮影方式が変わり、撮影と同時に音声も録音(シンクロ)となった。それでも、変身後のヒーローに変身前のキャストがアフレコを行う部分は伝統的に残っており、伊藤も「アフレコは難しい」と苦労を語った。平田はアフレコを失敗せずに行うコツとして、後から声を入れやすいように前もって大きい動きに努めていたと語り、長澤もこれを受けて「いかにうまく口の動きに合わせるか、が難しい」と共感を見せていた。

MCを務めたフリーアナウンサーの宮島咲良と、サブMCの出口博之を加えてのフォトセッション。スーパー戦隊をこよなく愛する宮島は感激のあまり涙ぐんでしまった。

第1部の終盤には、TTFCのレギュラー配信番組「山本康平の忍び道」の山本康平と長澤奈央がステージに現れた。2人は番組中で「オリジナルヒーローを作りたい!」という熱い思いで関係各方面に突撃取材を敢行した結果、ヒーローではなく"怪獣"の出る特撮作品の製作が実現した。そのタイトルは『怪獣区 ギャラス』。今回はタイトルと主要スタッフのみの発表となり、山本がアソシエイトプロデューサーを務めることが明らかとされたが、山本・長澤が企画に関わっているからには、きっと本編にも俳優として出演するに違いないと、ファンから熱い期待が寄せられている。11月頭に発表されるという、主要キャスト情報に期待をかけたいところだ。

トークイベントのライブビューイングが行なわれた別のステージでは、TTFCオリジナル番組『TTFC映画部』の「オリジナルヒーロー企画"案"発表会」が行われた。『TTFC映画部』出演の伊藤陽佑(特捜戦隊デカレンジャー デカグリーン/江成仙一役)と松本寛也(魔法戦隊マジレンジャー マジイエロー/小津翼役、特命戦隊ゴーバスターズ ビートバスター/陣マサト役)、そして山本康平(忍風戦隊ハリケンジャー ハリケンイエロー/尾藤吼太役)がそれぞれ、「予算200万(以内)で、今の時代にふさわしいヒーロー作品を作るなら」というお題にのっとってオリジナルのヒーロー作品企画をプレゼンするという趣旨のコーナーで、3人は新商品プレゼンに臨む巨大企業CEOさながらに、個性的かつ"時代"を鋭く読んだヒーロー企画をクールに紹介した。

さすがは、かつてヒーローとして活躍した実績を持つ俳優だけあって、ヒーローの設定や世界観がユニークなのはもちろんのこと、ヒーロー以上に重要な存在だといえる"悪"のキャラクター設定についても十分に練り込んだアイデアを投入しており、濃い東映特撮ファンが居並ぶ客席からもいくつかどよめきが起きる瞬間が見られた。

メインステージ第2部は、今年でメジャーデビュー15周年を迎えた「サイキックラバー(ボーカル:YOFFY、ギター:IMAJO)」による「スーパー戦隊ミニライブ」が開催された。彼らはデビュー2年目となる2004年に『特捜戦隊デカレンジャー』の主題歌「特捜戦隊デカレンジャー」を歌い、大ヒット。スーパー戦隊シリーズの主題歌で初めてオリコンチャートにランク入りしたことで、当時大いに話題となった。そんな2人を祝福するため、『宇宙戦隊キュウレンジャー』と『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』でそれぞれ主題歌を担当した幡野智宏、吉田達彦が駆けつけ、熱いシャウトで戦隊主題歌、挿入歌を歌いあげた。

ミニライブのセットリストは次のとおり。

「侍戦隊シンケンジャー」(侍戦隊シンケンジャー主題歌)サイキックラバー
「冒険者 ON THE RORD」(轟轟戦隊ボウケンジャーエンディング)サイキックラバー
「セイ・ザ・キュウレンジャー」(宇宙戦隊キュウレンジャー挿入歌)サイキックラバー
「LUCKY STAR」(宇宙戦隊キュウレンジャー主題歌)幡野智宏
「ルパンレンジャー ダイヤルを回せ」(快盗戦隊ルパンレンジャーテーマソング)吉田達彦
「バーサス!スーパー戦隊」(スーパー戦隊VS劇場主題歌)サイキックラバー、幡野智宏、吉田達彦
「ビュンビュン!トッキュウジャー」(烈車戦隊トッキュウジャーエンディング)サイキックラバー、幡野智宏、吉田達彦
「キョウリュウゴールドいざ!」(獣電戦隊キョウリュウジャー挿入歌)サイキックラバー
「Searching for Truth」(快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー挿入歌)サイキックラバー
「特捜戦隊デカレンジャー」(特捜戦隊デカレンジャー主題歌)サイキックラバー

のびやかな高音が魅力の幡野智宏は、IMAJOのアコースティックギター伴奏で「LUCKY STAR」を熱唱。

吉田仁美とのデュエットで「ルパンレンジャーVSパトレンジャー」を歌っている吉田達彦は、今回ソロでルパンレンジャーのテーマソング「ルパンレンジャー ダイヤルを回せ」を歌唱。こちらもIMAJOのアコースティック伴奏によるスペシャルバージョンである。

せっかくボーカルが3人いるからと、複数人の歌唱で臨む2曲「バーサス!スーパー戦隊」「ビュンビュン!トッキュウジャー」をカヴァー。

ライブのトリを飾る「特捜戦隊デカレンジャー」では、別ステージに出演していたデカグリーン/江成仙一役の伊藤陽佑がデカレンジャー×サイキックラバーのコラボTシャツを着てさっそうと登場。客席のファンと一緒に主題歌を熱く歌いあげた。

別ステージにおける次のプログラムは、TTFCの人気番組のひとつ「仮面ライダーGIRLS動画ブログ」の公開収録である。今回は仮面ライダーGIRLSのうち、井坂仁美と秋田知里が出演し、出口博之の進行でバラエティに富んだトークコーナーが繰り広げられた。『仮面ライダーオーズ/000』をこよなく愛する井坂と、『仮面ライダーウィザード』への思いなら誰にも負けない!と豪語する秋田だけに、それぞれのライダーへの変身ポーズ対決は非常に盛り上がり、両者ともただ変身ポーズを再現するだけでは飽き足らず、細かな劇中のシチュエーションまでパントマイムを交えて詳しく表現して、熱き仮面ライダー愛を観客に見せつけた。