小田急グループの小田急エージェンシーは19日、引退した特急ロマンスカー・LSE(7000形)の装備品を活用するプロジェクト「Romancecar Memorial Parts Project」を10月20日から開始すると発表した。

  • 小田急電鉄の特急ロマンスカー・LSE(7000形)。10月13日の臨時運行をもって引退した

「Romancecar Memorial Parts Project」は、小田急電鉄のフラッグシップとして長きにわたり活躍した特急ロマンスカー・LSE(7000形)で実際に使用されていた座席シート、座席テーブル、カーテンなど車内装備品に対し、プロダクトデザイナーの手により新たな役割を宿す取組みとなる。第1弾では、シートの座面を使った「ロマンスチェア」、車内のテーブルを活用した「ロマンステーブル」、カーテンを使った「ロマンスウォッチ」や「ロマンスTシャツ」をはじめ、全4種類の商品を数量限定で販売する。

「ロマンスチェア」はシートの座面を使い、17世紀の英国で発祥したウィンザーチェアとLSEのクラシックな雰囲気をリンクさせたラウンジチェア。素材には国産のナラの無垢材を使用し、ボリューム感のある座面と対比的にフレームには黒の塗装仕上げを施した繊細な印象の木材を使うことで、上品でありながらしっかりした存在感が特徴となっている。販売数は20脚限定で、価格は59万8,000円(税込)。

「ロマンステーブル」は車内の折りたたみテーブルを室内で使えるようにリデザインした。折りたたみの機構を残しながらも、スチールを使って家具として自立する構造に仕上げている。元の素材や意匠を極力生かしながら、違和感なく普段の暮らしに溶け込む形状とし、「ロマンスチェア」と合わせても利用可能。販売数は100台限定で、価格は18万9,000円(税込)。

  • 「ロマンスチェア」

  • 「ロマンステーブル」

  • 「ロマンスウォッチ」

  • 「ロマンスTシャツ」

「ロマンスウォッチ」は車内に設置されたカーテンを文字盤として活用したオリジナルの腕時計。ロマンスカーの象徴であるバーミリオンオレンジをバンド色に採用し、機構部にはシチズン時計マニュファクチャリング製のクォーツを使用している。販売数は200個限定で、価格は2万円(税込)。「ロマンスTシャツ」は車内に設置されていたカーテンを胸ポケットに再利用したオリジナルロゴ入りTシャツで、メンズフリーサイズとレディースフリーサイズの2サイズを用意。販売数は200枚限定で、価格は4,800円(税込)。

これらの商品は廃材車両部品を利用しているため、傷・汚れ(一部)が残っている場合がある。また、すべて受注生産となるため、発送は2019年3月以降を予定している。全アイテム共通で1,080円の配送料が別途必要。「Romancecar Memorial Parts Project」第1弾は販売サイト開設に合わせて10月20日から販売開始しており、販売期間は12月25日23時59分までとなっている。販売収益の一部は、引退した特急ロマンスカー・NSE(3100形)を保存・展示している神奈川県開成町へ、車両の保存管理費用として寄付される。

なお、商品の画像はすべて試作品イメージ。実際の商品と異なる場合がある。