オープンソース・ソフトウェアのライセンス形態が変更されることは時折、発生する。その理由はさまざまだが、ライセンス変更の動きはユーザーやプロジェクトが何を求めているのかを明確に示すことが多く興味深い。
最近では、MongoDBがいわゆる大手ベンダーによるフリーライドを戒めるためにライセンスをSSPLへ変更したほか、LLVMがライセンス変更の動きを活発にしている。
MongoDBは10月16日(米国時間)、「MongoDB now released under the Server Side Public License | MongoDB」において、MongoDBのライセンスを「Server Side Public License (SSPL)」に変更したと発表した。MongoDBはSSPLがOSIからオープンソース・ソフトウェアとしての承認を得ることができると確信していると説明しているほか、SSPLにすることで大手クラウドベンダーなどこれまでMongoDBコミュニティに対してフィードバックしてこなかった対象から協力が得られるようになるだろうと指摘している。
人気の高いコンパイラインフラストラクチャであるLLVMも長らくライセンス変更へ向けた取り組みを行っており、2018年10月16日(米国時間)に投函された「[llvm-dev] LLVM Relicensing Update」において再度取り組みへの協力を促した。
一方、LLVMのライセンス変更に関しては反対意見もある。同日、同じメーリングリストに「[llvm-dev] [libcxx-dev] LLVM Relicensing Update」が投函され、ライセンス変更を承認しないようにといった呼びかけが行われた。ライセンスを変更すればOpenBSDといったプロジェクトは新しいLLVMと取り込むことはできないとしており、利益にならないと指摘している。
オープンソース・ソフトウェアのライセンスといっても内容はそれぞれに異なっており、背景にある考え方も違っている。頻繁に発生するものではないが、オープンソース・ソフトウェアのライセンスが変更されることは珍しくなく、結果として他のオープンソース・プロジェクトなどに影響を与えることもある。