俳優の千葉雄大が、フランス・カンヌで開催中の国際映像コンテンツ見本市「MIPCOM」で、日本テレビのドラマ『プリティが多すぎる』(18日スタート、毎週木曜24:59~)の主演として舞台あいさつに登壇。流暢な英語でスピーチを披露した。

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    カンヌを訪れた千葉雄大=日本テレビ提供

世界中から300人の観客

千葉演じる大手出版社の文芸編集部エースが、「原宿系ファッション誌」に異動させられ、突如訪れた「プリティ満載」の職場にドン引きしながら、徐々に真正面から「KAWAII」カルチャーに向き合っていく同作。上映では、世界中から集まった総勢300人の観客が、「KAWAII」ファッションを追求する日本の10代のリアルなストーリー展開に共鳴した。

そして、上映終了後に登壇した千葉は「みなさん、こんにちは! 本日はご来場いただき本当にありがとうございます! ドラマ本編を楽しんでいただけてとてもうれしいです。今日は皆さんとお話しさせていただくのをとても楽しみにしていました。最初にドラマのタイトルを聞いたときは『カワイイをやらなきゃいけないのかな』とちょっと困惑した部分もありました。…僕はもう29歳なので! だけど実際に僕が演じる役は、カワイイを受け入れられない野心的な大人の役柄だったので、逆に今回の役に興味を持ちました。またご存知ないかと思いますが、実は僕はかつてファッション誌のモデルをやっていました。なので、主人公よりも、そしてここにいるドラマのプロデューサーよりも“KAWAII”についてはよく知っていました。だから撮影をより楽しめたんだと思います。とてもシリアスに演じながら、“KAWAII”を分からないふりをしていましたが、実は心の中では微笑んでいました」と、現地の司会者との長いやりとりのすべてを、流暢な英語で熱く語った。

また、撮影中の苦労を聞かれると、「東京はとても混雑しているので、クルーの人数を最小限にして、撮影用の機材をコンパクトにする必要がありました。“プリティが多すぎる”街・原宿で撮影していると、たくさんの観光客が僕に話しかけてきて、何をしているのか聞かれました。カメラが回っているにも関わらず、たくさんの人に質問されたんです! その時は『僕たち今、絶賛撮影中なんです!撮影してるんです!』と答えるのが精いっぱいでした(笑)。でも、みんな撮影の様子が見たかったみたいですね。みなさんもぜひ東京を訪れて、いかに原宿での撮影が大変だったか想像してみてください!」と、こちらも英語で答えた。

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    舞台あいさつの様子=同

さらに英語を学んでいきたい

登壇を終えた千葉は「とにかく緊張しました。でも何よりもすごく楽しかったです。本当に世界各国の方に足を運んでいただき、英語で質問もたくさんしていただき、温かい空気で迎えてくださって。今まで日本でもお客さんと一緒にドラマを見て、そのあと感想を話す…という経験があまりなかったので、それを海外で行うというのは、ものすごく刺激になりました」と感想。

今回のために2週間ほど集中して英語を勉強したそうだが、「またさらに英語を学んでいきたいという欲が出てきました。一番大事なのはコミュニケーションをとることなので、今後は共通言語として英語を話せるようになって、広がる会話力を身に着けたいです」と、意欲を示した。

僕のアナザースカイになれば

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「プリティ」ポーズを決める千葉雄大=同

そして、レッドカーペットを歩いた千葉は「初めてレッドカーペットを歩いたのですが、車の中で自分の出番を待っている時はめちゃくちゃ緊張していました。正直カンヌでは自分のことは知られていないだろうし、どんな反応が来るか全然わからなくて。でもいざ、レッドカーペットに降り立ったら、僕の写真を何枚も手に持ってくれる人たちがいて。『サインをください!』と声をかけられて、10枚くらい書いたのですが、それがすごくうれしくてビックリしました。想像したよりもアットホームな雰囲気で一気に緊張がほぐれました。海外の男性記者の方で、僕のデビュー作の戦隊モノの作品を見てくれている人がいて、『外国にもファンはいるんですよ!!』と声をかけられて。とにかく夢みたいな時間でした」と感激の様子。

ドラマのポスターと同じような空柄のセットアップに、黄色のシャツに派手なネクタイで挑み、「正直、『派手過ぎて浮いちゃったりしないかな…』と少し心配していたのですが、海外の方から『I like your outfit!(素敵な衣装だね)」とたくさんお褒めの言葉をいただけたので、結果的にはドラマを売り込む良い作戦だったのではないかと思います(笑)」と手応えを語った。

また、「KAWAII」という単語を海外の人も知っていることを実感し、「『Is this KAWAII?』と話題を振っていただいたり、世界の人たちと“KAWAII”という言葉でつながっていく貴重な体験ができました。カンヌは、僕のアナザースカイになればいいなと思っています(笑)」といい思い出になったようだ。

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    レッドカーペットを歩いた後のVIPラウンジで、ロシアの女優ビクトリア・マスロワと2ショット。「プリティ」の缶バッジをプレゼントして「It’s me!」と紹介すると「Kawaii!」と返事が。

上映を見たロシアのテレビ局のバイヤーは「KAWAIIという言葉の意味が理解できた。現代日本のローカルな感覚を知ることができて、特に若者には興味深いテーマ」、ドイツの放送局は「(主人公の)南吉と共にKAWAIIを知る旅に出かけることができた。特に若者は日本のファッションに関心があるので、海外でも大きな可能性を感じる」など評判は上々。海外の女性記者からは、千葉に対して「29歳なんて信じられない! 彼ってとてもキュート!」との声も寄せられている。

同ドラマは日本を含め、韓国、台湾、カンボジア、香港、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイという9つの国と地域で、同時期(1週間以内)放送・配信されることが決定していたが、新たに中国の大手配信サイト「Mango TV」でも、日本と同日に配信スタートすることが決定。日本テレビの連続ドラマが中国本土で同時期配信されるのは初の試みとなる。

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